【2022】ゲーミングPCのGPUの選び方は?GPUの活用方法

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Gaming pcのgpu

eスポーツなどのエンターテイメントが注目を集めたことで、ビデオゲーム人口の数は飛躍的に増加しています。中でも、PCでゲームをする人の数は過去に例がないほど増え、ゲーム専用のゲーミングPCを求める人の数も増えています。

今やテレビでCMを見る機会もあるゲーミングPCですが、そもそも通常のPCと何が違っていて、どれくらいのスペックがあるのでしょうか?今回は、そんなゲーミングPCのスペックに注目し、GPUが果たす役割やゲーミングPCの豊富なGPUリソースを活かす方法を紹介します。

ゲーミングPCと一般的なPCの違い

ゲーミングPCと一般的なPCの違い

そもそも、ゲーミングPCは、通常のPCと比べてどのような点に違いがあるのでしょうか?

一番の違いは、GPU、あるいはグラフィックボードの有無やその性能差が挙げられるでしょう。GPUはGraphic Processing Unitの略称で、その名のとおりコンピュータのグラフィック描画の役割を担っています。

一方のグラフィックボードは、GPUとGPUの冷却ファンなどが一体となったユニットで、高い処理能力を備えています。

ゲーミングPCは、高機能なGPUやサイズのあるグラフィックボードを積んでいるため、通常のPCに比べて高度なグラフィック描画を実現できます。そのため、映像処理の負荷が大きいビデオゲームを遊ぶのに最適のマシンといえるでしょう。

一方で、通常のPCは、ゲーミングPCのようなグラフィックボードを積んでいなかったり、独立したGPUではなくGPU内蔵のCPUで映像処理を賄っていたりするケースが一般的です。本体価格はその分安価に抑えられる一方、グラフィックを丁寧に描画できるほどのパワーがなく、映像がカクついたり処理が重くなったり、PCがフリーズしてしまったりするケースもあります。

このようなPCでも、カスタマイズを施せばゲームを遊ぶことは可能ですが、拡張コストを踏まえ、ゲーミングPCを選ぶ人が増えているというわけです。いわばGPU性能の差の違いで、ゲーミングPCかそうでないかを分けているといっても過言ではないでしょう。

NVIDIAとAMDの違い

NVIDIAとAMDの違い

GPUについて関心を持った人の多くが、必ずといって良いほど調べることになるのが、GPUのメーカーです。現在、GPUメーカーは大きく分けてNVIDIAやAMDの2つに分類されます。それぞれのメーカーでどのような違いが現れるのか、あらかじめ理解しておきましょう。

NVIDIAの強み

NVIDIAの最大の特徴はなんと言っても普及率が高いことにあるでしょう。NVIDIAはパフォーマンス重視のGPU開発に力を入れており、高速性やリアルタイム性が重視されるゲームの場においても親和性が高いとして、NVIDIAを選ぶ消費者は少なくありません。

ゲーム開発者向けの支援ツールなども用意しており、ゲームプレイヤーである消費者はもちろんのこと、ゲームクリエイターにも評価が高いのが最大の特徴と言えるでしょう。有名なGPUシリーズとしては、NVIDIA GeForceシリーズなどが挙げられます。

AMDの強み

AMDもNVIDIAと並んで、人気の根強いGPUメーカーの一つです。AMDが強みとしているのは優れた映像処理技術で、2Dおよび3Dの両方の描画に優れているという評価が知られています。また、NVIDIAと比べてコストパフォーマンスに優れるモデルが豊富で、リーズナブルにGPUリソースを確保したい方にとっては心強い味方となるでしょう。

NVIDIAとは違い、AMDはCPUも広く普及しており、GPUとCPUの相性を心配する必要が小さい点もポイントです。AMDの代表的なGPUはRadeonシリーズで、多様な領域のニーズに応えてきた歴史を持ちます。

ゲーミングPCの強み

ゲーミングPCは通常のPCよりも価格が高い傾向にありますが、相応のメリットをもたらすハードであるということで、多くの消費者が購入に踏み切っています。ゲーミングPCのアドバンテージとしては、以下のようなメリットが挙げられます。

GPU性能に優れる

ゲーミングPCの最大のメリットは、やはりGPU性能に優れている点です。ゲーミングPCはその名の通り、ゲームをするために組み上げられたハードであるため、価格に見合った高度な処理能力を発揮します。通常のネットサーフィンや書類作成では必要のない、パワーのあるグラフィックボードが搭載されており、重いゲームでも難なく動かせるようになります。

ゲーミングPCにも価格は大小がさまざまなため、ゲーミングPCであれば全てのゲームを最高環境で遊べるというわけではありませんが、ハイエンドなゲーミングPCともなると、4K画質でありながら、常に高いフレームレートで動作させることも可能です。

ゲーム実況などを考えている場合、ゲームと合わせて実況ソフトや録画ソフトの立ち上げが必要となりますが、パワフルなゲーミングPCであればGPUと合わせてCPUも高性能であるため、問題なく配信が行えるでしょう。

ゲーマー向けの初期設定が行われている

2つ目のメリットは、多くのモデルがゲーマー向けに販売されている点です。ゲーミングPCでゲームを遊ぶためには、ただ本体を用意するだけでは不十分です。ゲームを購入・起動するためのプラットフォームをインストールし、キーボード設定を見直し、その他必要なソフトのインストールと設定も求められます。

ありがたいことにゲーミングPCとして販売されているハードの多くは、こういった初期設定も事前に行なってくれているケースが増えています。ゲーミングPCを購入して初期設定を完了すれば、すぐに遊びたいゲームをインストールしてプレイできる環境が整っているので、PCの仕組みがよくわかっていない人や、これまでMacを使っていて、Windows OSは初めてという人でも簡単に扱えるでしょう。

ゲーマー向けの細かなカスタマイズを注文時に行える

ゲーミングPCとして販売されている商品の多くは、基本となる商品を選んだ後、注文前にそれをベースとしたカスタマイズを施すことも可能です。例えばCPUやGPUをより高性能なモデルに組み替えたり、セット商品としてキーボードやマウス、モニターを購入したりといったプランが利用できたりします。

ゲーミングPCはラップトップ型でない限り、それ以外の周辺機器も用意しておかなければなりません。まして初めてのPC購入となると、周辺機器を一から揃えなければならないため、別個に購入するのは手間がかかります。

ゲーミングPCによってはそれらの機器をセットで購入できるものもあるので、こういったサービスを活用しながら好みの環境に仕上げることも可能です。

ゲーム以外のGPUの活用方法

ゲーミングPCは、そのネーミングからゲーム専用のパソコンという印象を受けますが、実際には他にも多くの用途に転用することができます。ゲーミングPCに搭載された、高度なGPUをフル活用するための方法をご紹介します。

映像・音楽編集などのクリエイティブな業務

最もポピュラーなゲーミングPCの転用方法としては、映像編集や音楽制作といった、クリエイティブな業務への転用です。映像編集ソフトや音楽制作ソフトは、CPUへの負荷に加えGPUの負担も大きいため、相応のGPU性能が求められます。

特に映像編集ソフトはGPUのパフォーマンスが業務効率に大きく影響するため、少しでもパフォーマンスに優れるゲーミングPCはありがたいハードと言えます。

PCでゲームを遊びたいが、業務で使うPCの買い替えも検討しているという場合には、ゲームと仕事の併用PCとしてゲーミングPCを選ぶのも良いでしょう。

AI開発

2つ目の使い方は、AI開発です。AIは機械学習によって自律的な意思決定能力を持ったプログラムで、高度な判断を実現するためにはパワフルなGPUの存在が欠かせません。

というのも、近年のAI開発はGPUを使って行った方が効率が良いといわれており、先端研究の領域においてもGPUが活躍しているためです。精度の高い機械学習を行うためには質の高いGPUが求められますが、ゲーミングPCなら通常のPCよりも優れたパフォーマンスを発揮します。

もちろん、ビジネス向けの本格的なAI開発や、ディープラーニングを実施したいという場合にはGPUサーバーの確保が必要ですが、趣味や実験レベルでAI開発を始めるのであれば、ゲーミングPCレベルのGPUでも満足のいく成果を残してくれるでしょう。

仮想通貨マイニング

近年はGPU需要が増加し、市場への供給が滞っているともいわれますが、その要因の一つが仮想通貨マイニングです。

仮想通貨マイニングは、コンピュータに計算処理をさせることで仮想通貨を獲得する活動ですが、ここで用いられているのがGPUです。GPUの処理能力が高ければ高いほど、通貨の発掘能力に良い影響をもたらすため、仮想通貨マイニングのための巨大なGPUサーバーが世界各国に建設されています。

ゲーミングPCレベルのGPUでは、本格的なマイニングを行うことは難しいものの、ブロックチェーンの仕組みを理解したり、仮想通貨の仕組みを理解したりする分には十分な性能をユーザーにもたらしてくれます。

GPUの選び方のポイント

GPU選びのポイント

これまで解説してきたようなゲーミングPCの使い方を踏まえた上で、最後に最適なGPU選びのポイントを3つ紹介します。

ゲームが求める要件に応じたGPUを選ぶ

1つ目のポイントは、ゲームが求める要件に応じたGPUを選ぶことです。前述のとおり、GPUとは一言でいってもそのスペックは価格に応じてバラバラであるため、「このGPUを搭載しているゲーミングPCを買えば間違いない」ということはありません。

最新のゲームを最高のグラフィックで遊びたい場合には高級なGPUを搭載したモデルの購入が必要ですし、そこそこのグラフィックで良いということであれば、リーズナブルなモデルで問題ありません。ゲーミングPCの購入を検討の際には、まず自分の遊びたいゲームに求められるスペックを調べ、そこから必要なGPUおよびゲーミングPCを逆算すると良いでしょう。

予算に応じて最新モデルか型落ちモデルかを選ぶ

ゲーミングPCを個人的に購入する場合、問題となるのが予算です。一般的な性能のゲーミングPCは15万円前後ですが、格安のものでも10万円前後、ハイエンドモデルは50万円クラスと価格に大きなギャップがあります。

予算に限りがあり、できるだけ安く済ませたいという場合は、型落ちモデルの購入をおすすめします。少し古いタイプのGPUが搭載されているモデルや、新古品や中古品といったモデルがコストパフォーマンスに優れているため、PCショップなどを回ってみると良いでしょう。

ゲーム以外の用途で必要の際にはクラウドGPUを活用する

GPUの処理能力の高さを生かして他のタスクにもGPUを活用したいと考えている場合は、思い切ってゲーミングPCとは別にクラウドGPUの導入を進めるのも一つの手です。

一つのGPUに複数のタスクを与えてしまうと、相対的なパフォーマンスは下がってしまうため、本来の力を発揮することができません。クラウドGPUであれば従量課金制で実質無制限にリソースをフル活用できるため、高いパフォーマンスを常に維持できます。

ゲーミングPC用のGPUはそこそこの価格のものを手に入れ、ゲーム以外の用途にはクラウドGPUで補完すれば、高いコストパフォーマンスを発揮できるでしょう。

まとめ

ゲーミングPCを選ぶ際のポイントとなるGPUのスペックや、その選び方のポイントについて解説しました。PCゲームは相応のGPUスペックが求められますが、他にもGPUを活用する機会があるのであれば、それなりのスペックのものを手に入れておいて損はないでしょう。

また、GPUスペックの不足については、コストパフォーマンスに優れるクラウドGPUで補填するというのも有効です。

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