【2023】目的別にディープラーニング向けPCを紹介!勉強用・低コスト・高拡張性・大規模学習用

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PCs for deep learning

近年、ディープラーニング用に様々なスペックを持つPCが提供されています。そのため、「どのようなPCを選ぶべき?」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

今回は、勉強用・低コスト・高拡張性・大規模学習用の4つのケース別に、おすすめのディープラーニング向けPCを解説します。また、コスパを重視する人におすすめの「M:CPP」も紹介します。

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、数式に基づいて入力データのパターンを自動的に抽出し、未知のデータを予測するAI技術です。具体的には、ニューラルネットワークのうち、データのパターンを抽出する「中間層」と呼ばれる層が3つ以上ある多層のモデルのことです。

近年ディープラーニング技術の活用シーンが増え、ChatGPTに使われる「GPT-3」や、無人コンビニレジで活用されている「CNN」など、身近なサービスにも使われることが増えてきました。

なお、ディープラーニングについてさらに詳しく知りたい方は、『【2022】ディープラーニングの活用・応用事例をわかりやすく解説』をチェックしてみてください。

機械学習との違い

機械学習とディープラーニングは、それぞれに含まれるモデルの種類が異なります。

機械学習には、教師あり学習のディープラーニング以外にも、クラスタリングなどの教師なし学習や、強化学習も含まれます。つまり、機械学習の集合の中にディープラーニングが含まれるのです。

なお、ディープラーニングと機械学習の違いについては、『【2022】AI・機械学習・ディープラーニングの違いは?AIに必要なのはどちら?』で詳しく解説しています。

ディープラーニング用PCで重視すべきパーツと推奨スペック

家庭用のPCから、研究機関向けのハイスペックなPCまで、様々なスペックを持つ製品が提供されています。ここでは、ディープラーニング用PCで重視すべきパーツと、それぞれの推奨スペックについて紹介します。

GPU

GPUとは、高画質な画像を描画するために必要な計算処理に特化した半導体チップのことです。ディープラーニングは、大規模な計算が必要になるため、基本的にはGPUがなければ実行できません。

また、GPUのスペックは様々な要素で決まり、その一つに「メインメモリコアとTensorコア」が挙げられます。メインメモリコアは画像処理に特化したコアで、一方のTensorコアとは行列計算の処理専用のコアです。特にTensorコアは、ディープラーニングの処理性能に直結するコアであるため、ディープラーニング用PCを選ぶ際には要チェックです。

GPUはそれぞれのコア数が多いほど、性能が高くなる傾向にあるため、搭載されている「コア数」を基準に選ぶとよいでしょう。具体的には、次に挙げるコア数以上のGPUがディープラーニング向けです。

 

・CUDAコア(NVIDIA製のメインメモリコア):3,000基

・SPコア(AMD製のメインメモリコア):2,500基

・Tensorコア:100基

 

ディープラーニング用のGPUを選ぶ際は、上記を最低ラインにするとよいでしょう。なお、コア以外でGPUのスペック目安を知りたい方は、『【比較】ディープラーニングに必要な「GPU」の要件とは?』を参考にしてみてください。

CPU

CPUとは、マウス等の制御やAIプログラミングの実行など、コンピュータ全体の計算処理を行う半導体チップのことです。

CPUはGPUのように高速に処理する能力は備わっていないため、ディープラーニングに使う「データの作成時」に使われることが一般的です。

そのため、CPUの性能が低いとデータ準備に時間がかかってしまうため、スムーズに実験するためには、高スペックなCPUが必要です。具体的には、次に挙げている型番より上位のモデルを選ぶようにしましょう。

 

・Intel製:Core i5 10400・Core i7 8700・Core i9 11900

・AMD製:Ryzen 7 7700・Ryzen 9 5900

 

特に、高画質な画像や動画を扱う場合には、「Intel Xeonシリーズ・AMD EPYCシリーズ」などのサーバー向けのCPUもおすすめです。

なお、CPUとディープラーニングの関係性を詳しく知りたい方は、『ディープラーニングにCPUは必要?注目すべきスペックとは』もチェックしてみてください。

ストレージ

ストレージとは、データを保存するための補助記憶装置のことで、「HDDとSSD」が代表例です。ディープラーニング用PCには、データの高速な読み書きが可能な「SSD」がおすすめです。ただし、大量のデータを保管する必要がある場合には、SSDよりも安価な「HDD」を選ぶとよいでしょう。

また、SSD・HDDは、ディープラーニングで用いる加工済みデータや元データを保存するために使うため、かなりの容量が必要です。HDD・SSDいずれにしても、「1TB以上」のものを用意するとよいでしょう

メインメモリ

メインメモリとは、コンピュータ内部のデータを一時的に保存する主記憶装置です。メインメモリが小さすぎると、学習に使うデータを減らしたり、モデルを小さくしたりと、性能を意図的に低くする必要が出てきます。

そのため、ディープラーニングの実行環境用には、大容量タイプのメインメモリが必要です。具体的には、2桁程度の層しかない小さなディープラーニングモデルの場合でも「16GB」は必要で、大規模なモデルの場合には「1TB」以上でなければ実行できないケースもあります。

また、CPUのメインメモリも、データ加工やプログラムの実行スピードに影響するため、GPUと同じく重要なパーツです。そのため、「8〜16GB」搭載された大容量タイプのCPUを選びましょう。

なお、メインメモリとディープラーニングの関係性は、『ディープラーニングで「メモリ不足」にならないためには?』をチェックしてみてください。

ディープラーニング用PCの選び方

さまざまなPCが提供されているため、どれがディープラーニングに適したものかわからない方も多いでしょう。ここでは、ディープラーニング用PCの選び方を解説します。

GPUメーカーのシリーズ

大手半導体メーカーのAMDとNVIDIAから、ディープラーニング用のGPUシリーズが提供されています。

ディープラーニング向けGPUのシリーズは、次の通りです。

 

・NVIDIA製:Geforce RTXシリーズ・Vシリーズ・Tシリーズ・Aシリーズ

・AMD製:MIシリーズ

 

ディープラーニング用PC選びに迷う場合には、まずは上記のシリーズに絞り、シリーズ内のGPUで拡張性や費用を見ていくと、スムーズに選べます。

コストパフォーマンス

一般的にPCの価格は、GPUやCPUの性能がよくなるほど高くなる傾向にあります。そのため、コストを抑えたい場合には、ワンランク下のPCパーツを選ぶとよいでしょう。

ただし、低スペックなGPUにしてしまうと、直にディープラーニングの性能に関わってくるため、影響が少ないGPU以外のパーツの性能を落とすように注意してください。

また、同じPCでも、オンプレミス型よりもクラウド型の方がコストパフォーマンスに優れます。そのため、なるべくコストを抑えてハイスペックな環境を整えたい場合には、クラウド型のPCを検討するとよいでしょう。

おすすめのディープラーニング用PC:勉強用

まずは、ディープラーニングの勉強用におすすめのPCを2つ紹介します。それぞれのPCパーツの構成やメリットなどを解説するので、参考にしてみてください。

DAIV Z6-I7G50SR-A

DAIV Z6-I7G50SR-A

画像引用元:mouse

 

「DAIV Z6-I7G50SR-A」は、動画編集などのクリエイター向けのノートPCです。そのため、一般的な家庭用PCよりも性能が高く、「Intel Core i7-12650H」と「NVIDIA GeForce RTX 3050」という高性能なCPUとGPUで構成されています。

ただし、ディープラーニング用としては少し性能が不足するケースがあるため、勉強のために小さなモデルを動かす用として使うとよいでしょう。

Yoga 6 Gen 8

Yoga 6 Gen 8

画像引用元:Lenovo

「Yoga 6 Gen 8」は、スリムかつ軽量で持ち運びに便利な13.3型のノートPCです。スリムにするために、外付けタイプのGPUではなく、CPU内蔵型のGPUが採用されています。

CPU内蔵型のGPUでは、ディープラーニングの計算処理を行えるほどのパワーがないため、このPCは勉強用としての利用が適しています。

また、このPCでディープラーニングを動かしたい場合には、クラウドGPU上での実行がおすすめです。クラウドGPUでは、接続元のPCのスペックによらず、高度な処理を行えるからです。

本体はディープラーニングのプログラミングを勉強する用として使い、実行する際にはクラウドGPUを活用するとよいでしょう。

おすすめのディープラーニング用PC:低コスト

次に、低コストで購入できるディープラーニングPCを2つ紹介します。それぞれのPCパーツの構成や低コストPCを選ぶときのポイントを解説するので、参考にしてみてください。

LEVEL-R7X7-R77-RLX

LEVEL-R7X7-R77-RLX

画像引用元:パソコン工房

 

「LEVEL-R7X7-R77-RLX」は、GPUとCPUそれぞれに「NVIDIA GeForce RTX 4060」と「AMD Ryzen 7 7700」を採用したPCです。このPCでは、AMDのCPUを採用することで、ミドルレンジのPCにも関わらず、20万円台という低コストでの提供を実現できています。

コストを抑えたい場合には、このPCのようにAMD製のCPUやGPUを搭載しているPCを選ぶとよいでしょう。

SENSE-F0X7-LCR79X-NL1X

SENSE-F0X7-LCR79X-NL1X

画像引用元:パソコン工房

 

「SENSE-F0X7-LCR79X-NL1X」は、「AMD Ryzen 9」と「NVIDIA RTX A2000」を搭載するミドルレンジのPCです。

GPUは104基のTensorコアと3,328基のCUDAコアを搭載した高性能なモデルですが、AMD製のCPUを採用しメモリ容量を小さめにすることで、30万円程度までコストを抑えられています。

コストを重視する場合には、メモリやストレージが小さなPCを選ぶのも一つの手です。

おすすめのディープラーニング用PC:高拡張性

続いて、拡張性に優れるディープラーニングPCを2つ紹介します。拡張性の高さは、様々なディープラーニングモデルに対応するうえで重要です。それぞれのPCパーツの構成やメリットなどを解説するので、参考にしてみてください。

Precision 7920 タワー ワークステーション

Precision 7920 タワー ワークステーション

画像引用元:Dell

 

「Precision 7920 タワー ワークステーション」は、ストレージ拡張性に優れるPCです。具体的には、CPUのメモリを最大3TBまで拡張可能で、さらにHDDとSSDはそれぞれ最大10台と最大4台まで搭載できます。

CPUのメインメモリとストレージの拡張性が高いことから、大量の画像・動画データを使う場合におすすめのPCです。

HP Z8 Fury G5 Workstation

HP Z8 Fury G5 Workstation

画像引用元:HP

 

「HP Z8 Fury G5 Workstation」は、CPU・GPU・ストレージの拡張性が高いPCです。具体的には、CPUは「Intel Xeon」を最大56コアまで拡張可能で、最大2TBのメモリを搭載可能です。さらに、336基のTensorコアと10,752基のCUDAコアを持つ「NVIDIA RTX A6000」を最大4枚まで搭載でき、ストレージは最大112TBまで拡張できます。

そのため、このPCを導入すれば、膨大なデータ加工プログラムを実行する必要が出てきたり、メモリエラーでディープラーニングが実行できなくなったりした場合にも、柔軟にスペックを拡張できるメリットがあります。

おすすめのディープラーニング用PC:大規模学習可

最後に、大規模な学習でも余裕でできるディープラーニング用PCを2つ紹介します。

言語モデルやリアルタイム推論など、大規模なディープラーニングモデルを実行する場合には、特にハイスペックなGPUが欠かせません。

それぞれのPCパーツの構成やメリットなどを解説するので、参考にしてみてください。

GSD4200-IL10

GSD4200-IL10

画像引用元:ファナティック

 

「GSD4200-IL10」は、「NVIDIA A40・A100・A5000・A6000」などのハイスペックGPUを最大10基まで搭載できるPCです。GPUのトータル性能だけではなく、「Intel Xeon」を最大40コアまで搭載可能で、メモリは4TBまで拡張可能なため、GPU・CPU・メインメモリすべてにおいて最高レベルといえます。

また、GPU間の高速通信を可能にする「NVLink」構成に対応しており、大規模なディープラーニングモデルでもスムーズに計算を進められます。

SuperServer AS -4125GS-TNRT

SuperServer AS -4125GS-TNRT

画像引用元:トゥモロー・ネット

 

「SuperServer AS -4125GS-TNRT」は、ハイスペックGPUである「NVIDIA H100 80GB」を最大8基搭載できるPCです。NVIDIA H100は、456基のTensorコアと14,592基のCUDAコアを搭載し、NVIDIAのAI向けGPUシリーズの中でも群を抜いてハイスペックなGPUです。

また、ハイスペックなGPUに加えて、AMDのサーバー向けCPUで最高レベルの「AMD EPYC 9000シリーズ」が採用されています。

特にGPUの性能が高いことから、大規模なディープラーニングモデルに最適です。

コスパを重視するならディープラーニング向けクラウドGPUの「M:CPP」が最適

MCPP

コスパを重視してディープラーニング用PCを選びたい方には、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」がおすすめです。それでは、M:CPPの概要やディープラーニング用PCとして最適な理由を詳しく解説していきます。

M:CPPとは

M:CPPは、AMD製のハイエンドGPUを好きなタイミングで利用できるクラウドGPUサービスです。低コストプランから、大規模な開発向けのプランまで、幅広いニーズに合うプランが提供されています。

なお、M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』をチェックしてみてください。

ディープラーニング用PCに最適な理由

M:CPPがディープラーニング用PCに最適な理由は次のとおりです。

 

・代表的なGPUクラウドと比較して「2分の1以下」の費用で導入でき、コストパフォーマンスに優れている

・TensorflowやPytorchなどのディープラーニング用のライブラリやフレームワークに対応している

・AnacondaやDocker環境などディープラーニング用の実行環境の構築をサポートしてもらえる

・CPUの変更やHDDの増設など、GPU以外のスペック調整も可能

 

このように、M:CPPではディープラーニング環境用のサービスが充実しており、ディープラーニング用PCとして最適といえます。

まとめ

近年、ディープラーニング需要の高まりから、ディープラーニング向けに様々なスペックを持つPCが提供されています。例えば、エントリーモデルとして20万円程度から購入できる製品や、GPUを複数搭載できる拡張性に優れる製品など、それぞれのニーズに合わせたPCがあります。

また、コストを抑えてディープラーニング用のPC環境を構築したい方には、当社モルゲンロットが提供するクラウドGPUの「M:CPP」がおすすめです。

M:CPPは、高性能なGPUやCPUが搭載されているにもかかわらず、月額5万円程度から利用できるメリットがあります。

ディープラーニング用PCを購入する前に、まずは当社のM:CPPを利用してみてはいかがでしょうか?

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