【2023】機械学習ができるクラウドサービス12選!AWS・GCP・Azureを徹底解説

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Cloud services for machine learning

近年、大手クラウドサービスの「AWS・GCP・Microsoft Azure」にて、機械学習を楽しめるクラウドサービスが登場しています。自然言語処理や画像処理など特定分野に特化したサービスや、複数のAIモデルが実行できるAIプラットフォームなど、提供サービスは様々です。

今回は、ジャンル別に機械学習ができるクラウドサービスを12個解説します。また、クラウドGPUの「M:CPP」も紹介します。

クラウドサービスとは

クラウドサービスとは、インフラ機器やソフトウェアアプリなどのサービスを、インターネットを介して利用するサービスのことです。たとえば、GmailやZoom、Facebookなどのサービスも、クラウドサービスに含まれます。

また、近年機械学習の一般利用が広まったことで、機械学習の開発向けサービスやAIモデルがクリック一つで動かせるサービスなど、機械学習の専門知識がなくても気軽に試せるクラウドサービスも増えてきています。

クラウドサービスの種類

クラウドサービスは提供されるサービスの違いから、次の3つのカテゴリーに分けられます。

 

・PaaS(Platform as a Service)

・SaaS(Software as a Service)

・IaaS(Infrastructure as a Service)

 

ここでは、それぞれの特徴や機械学習サービスの具体例を解説します。自分に合った機械学習向けのクラウドサービスを選ぶためにも、それぞれ参考にしてみてください。

PaaS

「PaaS」とは、GPUやCPUなどのハードウェア環境と、プログラミング実行環境や可視化ツールなどのソフトウェア環境が、一つのサービス内で利用できるクラウドサービスです。機械学習向けPaaSの具体例は、「AWS・GCP・Microsoft Azure」です。

機械学習の開発に必要な環境がひと通り網羅されているため、機械学習のデータ保管からモデル作成・実行、評価までPaaSを一つでできます。

SaaS

「SaaS」とは、オンラインストレージやAIプラットフォームなどのソフトウェア環境を使えるクラウドサービスです。機械学習向けのSaaSの代表例には、「GoogleDrive」や「Amazon SageMaker」が挙げられます。

AIプラットフォームでは、機械学習の実行環境がアプリ化されています。そのため、クリックやドラッグ&ドロップなどの簡単な操作で、モデル構築や実行した結果の可視化など、機械学習を簡単に実行可能です。

IaaS

「IaaS」とは、GPUやストレージなどのハードウェア環境をオンライン上で利用できるクラウドサービスです。たとえば、機械学習向けのIaaSには、当社モルゲンロットのクラウドGPUの「M:CPP」や「さくらのクラウド」があります。

MCPP

また、機械学習向けのIaaSの中には、OSやドライブなどのシステム環境だけではなく、機械学習用のフレームワークやライブラリが既にインストールされているサービスもあります。

機械学習向け3大クラウドサービス

機械学習向けのクラウドサービスには、様々なものがあります。ここでは、特に押さえておくべき3つのクラウドサービスを厳選しました。それぞれの特徴やメリットを解説するので、簡単に比較してみましょう。

AWS

AWSは、Amazon社が提供するクラウドサービスの総称です。

AWSでは、AI開発プラットフォームや学習済みの機械学習モデルを各種アプリケーションに組み込めるサービスなど、産業・医療など様々な業界向けに提供されています。

また、AWSは使用メモリ量と実行時間分に応じて料金がかかる仕組みとなっており、サービスにかかるコストを最小限に抑えられるメリットがあります。

GCP

GCPは、Google社が提供するクラウドサービスの総称です。

GCPでは、自然言語や画像処理などの一般的な機械学習サービスに加えて、プログラミングコードの作成サポートAIやAIアクセラレータなど、画期的な機械学習サービスが提供されています。

また、「Vision AI」や「Natural Language API」のようにGCPサービスの中には、無料枠内であれば使い放題のサービスも多いです。そのため、お金をかけることなく、機械学習モデルをお試し利用できるメリットがあります。

Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Microsoft社のクラウドサービスの総称で、多種多様なPaaS・IaaSサービスを提供しています。

たとえば、異常検出機能をアプリへ簡単に追加できるものや、AIボットを作成できるものなど、Microsoftオフィス製品や外部サービスと連携可能なサービスが豊富です。

そのため、Microsoft Azureは機械学習をアプリケーションへ簡単に応用できるメリットがあります。

機械学習ができるクラウドサービス:自然言語処理

まずは、自然言語処理の機械学習ができるクラウドサービスを紹介します。

 

・AWS:Amazon Comprehend

・GCP:Natural Language API

・Microsoft Azure:Azure AI Language

 

それぞれのサービスの特徴やメリットを解説するので、参考にしてみてください。

AWS:Amazon Comprehend

「Amazon Comprehend」は、製品レビューや電子メールなどのテキストデータから、重要度の高い言葉や感情、話題を抽出できるAWSサービスです。Amazon Comprehendでは、学習済みの自然言語処理AIが用意されているため、機械学習の知識がなくても利用できるメリットがあります。

GCP:Natural Language API

「Natural Language API」は、テキストデータから感情の分析や特定文字の抽出、構文解析が可能なGCPサービスです。たとえば、Natural Language APIでは学習済みの自然言語処理AIを使って、700種類以上のカテゴリーへテキストデータを分類し、文章構造や意味を分析できます。

Microsoft Azure:Azure AI Language

「Azure AI Language」は、学習済みの自然言語処理AIを利用して、様々なテキスト分析を試せるMicrosoft Azureサービスです。たとえば、テキストデータに対して、カテゴリー別に重要な情報の抽出やラベル付け、感情分析が可能です。

また、データのラベル付けを自分で行うことで、自然言語処理AIのパフォーマンスを上げることができます。

機械学習ができるクラウドサービス:画像処理

続いて、画像処理の機械学習ができるクラウドサービスを紹介します。AWS・GCP・Microsoft Azureでは、次のAIプラットフォームサービスが提供されています。

 

・AWS:Amazon Rekognition

・GCP:Vision API

・Microsoft Azure:Azure Cognitive Service for Vision

 

それぞれのサービスの特徴やメリットを解説するので、参考にしてみてください。

AWS:Amazon Rekognition

「Amazon Rekognition」は、画像や動画内の物・顔・テキストなどの検出が自動的に行えるAWSサービスです。たとえば、危険性の高い動画の抽出や特定人物の検出など、幅広い用途で活用できます。

また、Amazon S3に保存されている動画を学習データとして使用できるように、ほかのAWSサービスとも連携が可能です。

GCP:Vision API

「Vision API」とは、学習済みの画像認識AIが使えるGCPサービスです。具体的には、画像内の物・顔・手描き文字の検出が可能です。

Vision APIでは「AutoML」と呼ばれる機械学習の自動化システムが採用されているため、利用者側はプログラミングを記述することなく、画像や動画をアップロードするだけで各サービスを利用できます。

Microsoft Azure:Azure Cognitive Service for Vision

「Azure Cognitive Service for Vision」は、10,000を超えるデータを用いて学習した画像認識AIを利用できるMicrosoft Azureサービスです。リアルタイムで動画内の人数を数えたり、印刷物のテキストを抽出したりなどが可能で、画像だけではなく動画や印刷物にも適用できます。

機械学習ができるクラウドサービス:音声認識

続いて、音声認識の機械学習ができるクラウドサービスを紹介します。AWS・GCP・Microsoft Azureでは、次のAIプラットフォームサービスが提供されています。

 

・AWS:Amazon Transcribe

・GCP:Speech-to-Text

・Microsoft Azure:Speech to Text

 

それぞれのサービスの特徴やメリットを見ていきましょう。

AWS:Amazon Transcribe

「Amazon Transcribe」は、音声データを自動的にテキストへ変換できるAWSサービスです。Amazon Transcribeでは音声認識AIが組み込まれており、動画コンテンツの字幕生成や内容の分析、通話データの文字起こしが可能です。

また、AWSサービスの「Amazon Comprehend」で変換後のテキストデータを処理することで、テキストから感情の分析や重要度の高い言葉の抽出ができます。Amazon Transcribeは、機械学習用にテキストデータを作成するときにも活用できるでしょう。

GCP:Speech-to-Text

「Speech-to-Text」は、数百万時間におよぶ音声と数十億の文章を学習した音声認識AIを使って、音声データからテキストへ変換できるGCPサービスです。

Speech-to-Textでは、汎用的な音声認識AIだけではなく、特定分野のデータを学習した特化型モデルも選べるメリットがあります。たとえば、ポッドキャスト用の文字変換や、医療従事者と患者の会話を文字変換できるモデルなど、汎用モデルと合わせて全部で8つのモデルを試せます。

Microsoft Azure:Speech to Text

「Speech to Text」は、会話音声から文字起こしを行えるGCPサービスです。Speech to Textは、AIモデルのカスタマイズ性に優れています。具体的には、専門用語の認識や方言のアクセントの違いなど、各音声データにおける特徴をインプットさせることで、汎用的な機械学習モデルから過学習させたモデルへ調整できるのです。

機械学習ができるクラウドサービス:AIプラットフォーム

最後に、自然言語処理AIや画像処理AIなど、様々な機械学習モデルが使える「AIプラットフォーム」を紹介します。AWS・GCP・Microsoft Azureでは、次のAIプラットフォームサービスが提供されています。

 

・AWS:Amazon SageMaker

・GCP:Vertex AI

・Microsoft Azure:Azure Machine Learning

 

それぞれのサービスの特徴やメリットを解説するので、参考にしてみてください。

AWS:Amazon SageMaker

「Amazon SageMaker」は、データの準備から機械学習モデルの学習・調整・評価まで、一連の流れの機械学習の過程を自動化できるAWSサービスです。

SageMakerでは、実行環境の「Docker」を利用することで、NVIDIA製のGPUを使えます。

また、SageMakerには、学習データやパラメータ設定、学習勾配を監視できるツールもあるため、学習の状態をわざわざデバッグすることなく、ツール上でチェックできるメリットがあります。

GCP:Vertex AI

「Vertex AI」は、画像やテキストなど、幅広いデータに対応した機械学習モデルを実行できるGCPサービスです。

Vertex AIでは「NVIDIA P4・L4・T4・ K80・P100・V100・A100」など、様々なスペックのGPUを利用できます。そのため、自分がする機械学習のモデルに合わせて、GPUを最適化できるメリットがあります。

Microsoft Azure:Azure Machine Learning

「Azure Machine Learning」は、クリック操作のみで完結する操作性の簡易さが魅力のMicrosoft Azureサービスです。

Azure Machine Learningでは、データのラベル付けから、機械学習モデルの調整や精度の最適化まで、機械学習の過程を自動的に行います。

また、ほかのAzureサービスとの連携が可能で、データの保存や可視化、エラー追跡も同じクラウドサービス内で行えるメリットがあります。

機械学習向けのクラウドGPUは「M:CPP」がおすすめ

機械学習向けのクラウドGPUは、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」が最もおすすめです。M:CPPでは、機械学習向けの高性能GPUとCPUが使えるからです。

最後に、M:CPPの概要や使うメリットについて解説していきます。

M:CPPとは

M:CPPは、大手半導体メーカーのAMD社の「ハイエンドモデルGPU」を利用できるクラウドGPUです。GPU・CPUの変更やフレームワーク追加、HDDの増設など、個人のニーズに合わせて柔軟なカスタマイズが可能です。

M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』をチェックしてみてください。

M:CPPを使うメリット

機械学習でM:CPPを使うメリットは、次のとおりです。

 

・TensorflowやPytorchなどの機械学習用のライブラリやフレームワークに対応している

・AnacondaやDocker環境など機械学習用の実行環境の構築をプロのエンジニアからサポートしてもらえる

・大手クラウドサービスと比較して「2分の1以下」の費用で導入でき、コストパフォーマンスに優れる

 

M:CPPでは、機械学習に必要なシステム環境や実行環境を構築する手間を省けるメリットがあります。なお、M:CPPのコスパの良さが気になる方は、『AWSとM:CPPのコストパフォーマンスを比較する』を参考にしてみてください。

まとめ

大手クラウドサービスのAWS・GCP・Microsoft Azureでは、機械学習ができるサービスが提供されています。たとえば、カスタマイズ性の高い音声認識AIを使えるサービスや、プログラミングの知識がなくても機械学習を試せるAIプラットフォームなど、提供されるサービスは多岐にわたります。

また、機械学習用に高性能かつ低コストで開発環境を整えたい場合には、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」がおすすめです。M:CPPは、AMDのGPUサーバーを費用相場の半分以下の金額で利用できます。また、機械学習用のフレームワークやライブラリをプレインストールできるため、環境構築の手間がかからないメリットもあります。

機械学習のクラウドサービスに興味がある方は、まずは当社のM:CPPを利用してみてはいかがでしょうか?

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