快適なゲーム環境を整える上では、PCパーツの「GPU」がもっとも重要です。とはいえ、「どれにすればいいかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回は、後悔しない選び方の解説を踏まえて、おすすめのゲーミングPC用のGPUを紹介します。また、低コストで高性能なゲーム環境を実現できるクラウドGPUの「M:CPP」も紹介します。ゲーム環境で後悔しないためにも、ぜひ最後までご覧ください!
ゲーミングPCの性能を左右する「GPU」とは
「GPU」とは、3DゲームやVRなどの高画質な画像を描画する計算処理用の半導体チップです。GPUは、画像処理を行うための「コア」を1,000個以上も搭載しているため、高速に画像データを処理できます。
最近のゲームでは、フルHD以上の解像度の高い画像を大量に描画する必要があるタイトルも増えてきています。そのため、GPUの性能はゲームを制する上で最も重要な要素といえるのです。
CPUとの違い
GPUとCPUは、処理できる内容が異なります。GPUは画像処理に特化している一方で、CPUはコンピュータ全体の計算処理が可能です。
GPUには並列処理が得意な「コア」が複数搭載されているため、画像描画に必要な計算を高速に処理できます。
一方で、CPUには高性能なコアが搭載されているため、コンピュータの制御など複雑な処理を行えます。そのため、CPUでも画像の描画は可能ですが、コア数が少ないため、GPUのように高画質な画像は出力できません。
CPUとGPUは名前が似ているため混同しがちですが、PCの処理性能に関わってくるため、間違えないように注意しましょう。
GPUメーカーの違い
主要なGPUメーカーは、「AMD・NVIDIA・Intel」の3社です。ゲーミングPC用のGPUを探す際には、基本的にはこの3社の中から選ぶことになります。
ここでは、AMD・NVIDIA・Intelの特徴やメリットを解説します。GPUメーカーを絞るときに、参考にしてみてください。
AMD
AMDは、長年ゲーミングPC向けのGPUを提供し続けているアメリカの半導体メーカーです。エントリーモデルで手軽に購入できるGPUから、最先端技術を搭載したハイパフォーマンスのGPUまで、ゲーミングPC向けに幅広くシリーズが展開されています。
また、AMD製のGPUは、消費電力の性能の高さが特徴です。そのため、リアルシューティングゲームなどの処理負荷が高いゲームでも、他のGPUメーカーの製品よりも電気代を安く抑えられるメリットがあります。
また、似たようなスペックのGPUを比較した場合に、AMD製のGPUは他のGPUメーカーのものよりも2割ほど安く提供されているケースもあり、低コストで購入できる点も魅力です。
AMDはクラウド企業ともパートナー提携をしており、Google Cloud・AWS・Microsoft Azure・IBM Cloud・M:CPPなどで利用することができます。
NVIDIA
NVIDIAは、AI・ディープラーニングやゲーム、動画編集など、様々な用途に合わせたGPUを提供しているアメリカの半導体メーカーです。
近年、AI機能を搭載したGPUの開発に力を入れており、AIにより低解像度画像の高解像度化が可能な「ディープラーニングスーパーサンプリング(DLSS)」を新たに開発し、注目を集めています。
また、NVIDIA製のGPUは、パフォーマンスの安定性の高さが特徴です。そのため、マルチオンラインゲームなど高負荷がかかるゲームにおいても、滑らかな映像で楽しめるメリットがあります。
NVIDIAはクラウド企業ともつながりが深く、Google Cloud・AWS・Microsoft Azure・IBM Cloud・GPUSOROBANなど、様々なクラウドサービスでも利用可能です。
Intel
Intelは、家庭向けPCのCPUから一般企業・研究機関で使われるサーバー用のCPUまで、幅広いCPUラインナップを展開しているアメリカの半導体メーカーです。
GPUにおいては、CPUと一体型になっている「内蔵GPU」を提供しています。最近のIntel製の内蔵GPUは性能が高いものも増えてきているため、シングルプレイのシューティングゲームをスムーズにプレイできるようになりつつあります。
また、IntelのCPUは、M:CPPやGPUSOROBANなどのクラウドGPU上でも利用可能です。
高性能GPU搭載のゲーミングPCでできること
最近では、「ファイナルファンタジーシリーズ」のようなグラフィックス重視のゲームや、「Apex Legends」のようなリアルシューティングゲームなど、高性能なGPUがなければ満足に楽しめないものも増えてきています。ここでは、高性能なGPUを搭載するゲーミングPCでは何ができるのかを解説していきます。
高性能なGPUの必要性がイマイチ納得できない方は、それぞれチェックしてみてください。
WQHD・4K高画質を楽しめる
高性能なGPUを搭載しているゲーミングPCでは、WQHDや4Kなどの高画質ゲームを楽しむことができます。高性能なGPUは処理性能が高いため、高解像度の画像でもスムーズに処理できるからです。
そのため、4K対応のゲームを楽しみたい場合には、高性能なGPUを選ぶようにしましょう。
レイトレーシング・DLSSを体験できる
高性能なGPUでは、レイトレーシング設定を楽しむことができます。レイトレーシングとは、リアル世界の光の動きや見え方をゲーム上で再現できる機能のことです。レイトレーシングをオンにすると、光の計算が発生するシーンにおいて計算負荷が高まります。そのため大量の計算を処理できる高性能なGPUでなければ、スムーズに処理できません。
また近年、GPUの高速計算処理の開発が進み、AI・ディープラーニングの演算処理を高速に行うための「Tensorコア」を搭載しているGPUも登場しています。Tensorコアを搭載しているGPUでは、AI技術が使われている「DLSS」を体験できます。
レイトレーシングやDLSSなどの新しい技術を堪能したい方は、最新で高性能なGPUを選びましょう。
なお、DLSSについては『【2023】ディープラーニングスーパーサンプリングとは?有効にすべき?概要とメリット』で詳しく解説しています。
ゲーミングPC向けGPUの後悔しない選び方
様々なゲーミングPCが提供されているため、自分にピッタリ合うPCを選ぶのは簡単ではありません。ここでは、ゲーミングPC向けのGPUの選び方を解説します。GPU選びで後悔することにならないためにも、一つずつチェックしてみてください。
メーカーのゲーミングPC用シリーズから選ぶ
GPUのメーカーごとに、ゲーミングPC用のシリーズがあります。具体的なシリーズは、次のとおりです。
・NVIDIA GeForce RTX・GTX
・AMD Radeon RX
各GPUメーカーでは、上記以外にもAI用のシリーズや動画編集者向けのシリーズなど、様々な用途別に展開されています。別シリーズのものを選んでしまうと、ゲーミングPC用の機能がない場合もあるため、間違えないように注意しましょう。
性能を優先するならノート型よりもデスクトップ型を選ぶ
PCにはノート型とデスクトップ型がありますが、性能を優先するのであれば「デスクトップ型」を選びましょう。
ノート型PCではPC内にすべてのパーツを収める必要があるため、内蔵GPUが搭載されています。内蔵GPUはCPUとメインメモリを共有するため、ディスプレイ型の外付けGPUと比較すると処理性能が低くなってしまいます。
そのため、より高性能なゲーム環境を整えるのであればディスプレイ型PCがおすすめです。
ゲームの最低動作環境に合わせる
多くのゲームでは、「最低動作環境」が決められています。最低動作環境とは、ゲームを動かすために最低限必要なPCパーツのスペックのことです。例えば、「ファイナルファンタジーXIV」では、下の表のようにGPUの最低動作環境を指定しています。
GPUの指定項目 | 必要動作環境 |
GPUのシリーズ | ・NVIDIA Geforce GTX750
・AMD Radeon R7 260X |
GPUのメインメモリ(VRAM) | 4GB以上 |
最低動作環境以下のGPUではゲーム中に何回も止まってしまったり、起動すらできなかったりと、遊ぶことができないケースもあるため注意が必要です。そのため、ゲーミングPC用のGPUを選ぶ際には、まずは遊びたいタイトルの最低動作環境を確認するようにしましょう。
CPU・ディスプレイとの性能バランスに注意する
GPUは、CPUからの命令を受けて演算処理を行うため、CPUのスペックが低いとGPU本来のパワーを引き出せません。そのため、GPUとCPUの性能バランスを考慮する必要があります。高性能なGPUを購入する場合には、CPUも高性能なものを選ぶようにしましょう。
また、ディスプレイとの相性も重要です。GPUがいくら高性能であっても、低性能なディスプレイでは応答性能が劣るため、GPUが処理した画像をスムーズに表示できません。そのため、ハイスペックなGPUの場合には、WQHDや4K・8Kディスプレイなどの高解像度ディスプレイを用意しましょう。
コスパを重視するなら「クラウドGPU」も選択肢に入れる
コスパを重視するなら、「クラウドGPU」も選択肢に入れることをおすすめします。クラウドGPUとは、インターネットを経由してGPUを利用できるクラウドサービスのことです。
クラウドGPUは利用料金や月額料金を負担するだけでよいため、高いGPUの購入費用や冷却設備などの周辺環境を整えるための費用がかかりません。そのため、自分で一括購入するよりもトータルのコストを抑えることができます。
また、クラウドGPUではNVIDIAやAMDのハイスペックなGPUが多数取り扱われています。
そのため、お得にかつ高性能なゲーム環境を整えるのであれば、クラウドGPUを検討しましょう!
なお、クラウドGPUのメリットは、『【2023】GPUのクラウドサービスとは?メリット・デメリットと具体例を紹介』でチェックしてみてください。
【最新】おすすめのゲーミングPC向けGPU
ここでは、おすすめのゲーミングPC向けGPUを3つ紹介します。低コストモデルや高性能モデルなど、ニーズ別に解説するのでGPU選びの参考にしてみてください。
低コストモデルなら「AMD Radeon RX 6400」
画像引用元:AMD
低コストモデルのGPUがよい方には、「AMD Radeon RX 6400」がおすすめです。RX 6400では、768基のストリーミングプロセッサーと12基のレイアクセラレーターを搭載しています。フルHD環境でもサクサク動く性能の高さと、レイトレーシングを楽しめる魅力があります。
また、低消費電力を実現するキャッシュメモリが採用されているため、GPU自体の電力効率を上げつつ電気代も節約できるメリットがあります。
一方で、メモリ容量は4GBで、他のゲーミングPC向けのGPUに比べて小さめです。メモリ容量の大きさからも、ゲーミングPC向けGPUのエントリーモデルとして提供され、10万円以上かかるGPUも多い中で「2〜4万円程度」と手頃に購入できます。そのため、RX 6400はコストの低さを重視したいなら、まず検討すべきGPUといえます。
コストも性能も重視するなら「AMD Radeon RX 7900 XT」
画像引用元:AMD
コストも性能も重視したい方には、「AMD Radeon RX 7900 XT」が最適です。RX 7900 XTには、5,376基のストリーミングプロセッサーと84基のレイアクセラレーター、そして20GBもの大容量メモリが採用されています。
他のGPUと比べてメモリ容量が大きいため、RX 7900 XTであれば、4Kレベルの高解像度や高負荷がかかるゲームでもカクつくことなく楽しめます。
また、同程度の性能を持つ「NVIDIA RTX 3090 Ti」と比較すると、10万円程度安く購入できるコスパのよさも魅力です。
RX 7900 XTは、4Kゲーム用の高性能なGPUをお得にゲットしたい場合に検討するとよいでしょう。
最新&最高級モデルがいいなら「NVIDIA GeForce RTX 4090」
画像引用元:NVIDIA
最新かつ最高級モデルを求めている方には、「NVIDIA GeForce RTX 4090」がおすすめです。RTX 4090は2023年現時点で、もっとも新しいNVIDIAの「RTX 40シリーズ」のハイエンドGPUです。16,389基のCUDAコアと512基のTensorコア・128基のRTコア、そして24GBの大容量メモリを搭載しています。大半のeスポーツタイトルのWQHD解像度で300fpsの高フレームレートを実現できるほど、群を抜いた性能を持ちます。
また、レイトレーシングとDLSS処理用のコアも大量に搭載しているため、レンダリングの最新技術も問題なく楽しめます。
そのため、RTX 4090は性能の高さを重視する場合にもおすすめのGPUです。
ゲーミングPC向けクラウドGPUなら「M:CPP」がおすすめ
ゲーミングPC用のクラウドGPUは、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」がもっともおすすめです。M:CPPとは、AMD製のハイスペックなGPUをお得に利用できるクラウドGPUです。ここでは、M:CPPの概要やゲーミングPCにおすすめである理由について詳しく解説していきます。
M:CPPとは
M:CPPは、AMD製のハイスペックなGPUを月額5万円程度から利用できるクラウドGPUサービスです。M:CPPで提供されているGPUは、AMD Radeonシリーズの「Vega 56・Radeon VII」の2種類です。どちらも、WQHDやフルHDなどの高解像度のゲーミング環境で利用できるハイスペックなGPUです。
また、ハイスペックなGPUだけではなく、「Core i9 9900KF・AMD Ryzen 7 2700・Core i5 9400F・Core i3 9100F」の幅広いスペックのCPUも用意されています。
なお、M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』をチェックしてみてください。
M:CPPがゲーミングPCにおすすめな理由
M:CPPがゲーミングPCにおすすめな理由は、次のとおりです。
・代表的なGPUクラウドと比較して「2分の1以下」の費用で導入でき、コストパフォーマンスに優れている
・CPUの変更やHDDの増設など、GPU以外のスペック調整も可能
・GPUサーバーの所在国が日本であるため、通信にかかる時間が短い
・低コストでお手軽なプランからハイスペックなGPUとCPUが使えるプランまで、プランの選択肢が広い
このように、M:CPPは自分にとって最適なゲーム環境をお得に整えられるため、ゲーミングPCにおすすめのサービスといえます。
まとめ
快適なゲーム環境を整える上では、GPUの性能が最も重要です。GPUは画像描画に特化したPCパーツであるため、性能が低い場合には画像の処理がスムーズにできなくなってしまうため、カクついて表示されてしまいます。
また、近年のゲーム需要に伴って、NVIDIAやAMDからゲーミングPC用のGPUシリーズが多数提供されています。
お得に高性能なゲーム環境を構築したい方には、当社モルゲンロットが提供するクラウドGPUサービスの「M:CPP」がおすすめです。M:CPPでは、大手クラウドGPUよりの半分以下の費用で導入できるため、手軽にハイスペックなGPUを利用できます。
そのため、コスト面がネックで高性能なゲーミングPCを諦めていた方も、まずは当社の「M:CPP」を利用してみてはいかがでしょうか?