【2023】ディープラーニングスーパーサンプリングとは?有効にすべき?概要とメリット

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ディープラーニングスーパーサンプリング

最近、最新AI技術の「ディープラーニングスーパーサンプリング」を楽しめるゲームが増えています。「どのような技術か」や「有効にすべきか」など、疑問がある方も多いのではないでしょうか?

今回は、「ディープラーニングスーパーサンプリング 3」の概要や有効にするメリットを解説します。また、クラウドGPUの「M:CPP」も紹介するので、最新技術を楽しめるゲーミングPCをお探しの方は、ぜひ最後までご覧ください。

ディープラーニングスーパーサンプリング(DLSS)とは

ディープラーニングスーパーサンプリング(DLSS)とは、高性能なGPUとディープラーニングを組み合わせ、低解像度の画像を自動的に高解像度へ変換するリアルタイムレンダリング技術です。

DLSSの仕組みは、「畳み込みオートエンコーダ」に対して、現在と1つ前のフレーム・シャドウやリフレクションなど数値データ・ゲームのモーションベクターなど、4つの情報をピクセル単位で入力し、GPUのコア上で畳み込み演算を実行、そして1フレーム先の画像を生成します。

DLSSは大手半導体メーカーのNVIDIAが開発した技術で、「フォートナイト」や「モンスターハンターワールド」など多くの有名タイトルで対応が進んでいます。ここでは、ディープラーニングスーパーサンプリングで使われるAIレンダリング技術やレイトレーシングとの違いを見ていきましょう。

そもそもAIレンダリング技術とは

AIレンダリングとは、テクスチャや光源、エフェクトなどの数値情報をもとにAIが自動で計算を行い、映像を描画する変換技術です。

AIレンダリングは、リアルなゲームの質感を再現する上で必要な物理現象を表現するために重要な技術です。たとえば、「森の中にある家」という一見単純そうな描画であっても、リアルな質感を出すためには反射計算や隠面消去、座標変換など、大規模なレンダリング計算が発生します。

そのため、ゲーム最中にAIレンダリングをスムーズに実行するためには、高速な画像処理ができる「GPU」が欠かせません。近年では、AIの処理に特化した「Tensorコア」を搭載したGPUが登場し、AIレンダリングと組み合わせることでより美しく・スムーズなレンダリング処理を実現できるようになりつつあります。

レイトレーシングとの違い

レイトレーシングとディープラーニングスーパーサンプリングは、「レンダリングする内容」が大きく異なります。

レイトレーシングとは、リアルな光の動きや見え方をゲーム上で再現するために、光源から「光の方向」などを計算で求めるレンダリング手法です。一方でDLSSは、過去のフレームから「未来のフレーム」を計算で求める技術です。

レイトレーシングは、光に特化したレンダリングを行うのに対して、DLSSは光を含めたさまざまな要素をレンダリングします。このように、両者はレンダリング内容やアルゴリズムが大きく異なるため、利用する際は間違えないように注意しましょう。

ディープラーニングスーパーサンプリングを有効にするメリット

ディープラーニングスーパーサンプリングはデフォルトの機能ではないため、機能の「有効・無効」を選ぶことができます。ここでは、DLSSを有効にするメリットを3つ解説します。

DLSSにはバージョン1・2・3がありますが、2023年時点で最も新しいバージョンの「DLSS 3」を有効にすれば、ゲームの高いパフォーマンスと美しいグラフィックスを両立できるようになるメリットがあります。これまで、DLSSを有効にしたことがない方は、それぞれ参考としてご覧ください。

同じ解像度設定でより美しく描画される

ディープラーニングスーパーサンプリングを有効にすれば、無効状態のときよりも繊細かつ鮮明に描画されるメリットがあります。

DLSSでは、モーションベクターに加え、ピクセルごとの影や太陽光、煙などのエフェクトもデータとして使うことで、より現実世界に近い光や影の挙動を再現できるようになります。そのため、バイクの影などのモーションベクターのみでは再現しにくい形状の動きも、画面がカクつくことなくスムーズかつ正確に表現可能です。

実際のところ、NVIDIAが行った「サイバーパンク2077」の実証実験では、DLSSを有効にすることで、動きが激しい車のドライブシーンでも優れた画質を維持できたと報告されています。

DLSSを活用すれば、低解像度設定でもゲーム本来の美しい映像を楽しむことができます。

フレームレートが向上する

ディープラーニングスーパーサンプリングを有効にした場合には、フレームレートが無効の場合よりも向上するメリットがあります。フレームレートが向上する理由は、DLSSに組み込まれたディープラーニングはGPU上で実行されるため、CPUによるフレームレートの制限をなくせるからです。

GPU依存のDLSSでは、CPUを使う場合よりも最大2倍の速度でレンダリングが可能で、基本的にはGPUの性能が高ければ高いほど、ゲームのフレームレートが向上する傾向にあります。

実際のところ、大規模なワールド空間で遊べる「Microsoft Flight Simulator」でDLSSを有効にすることで、フレームレートが最大2倍にまで向上します。

また、「Portal With RTX」のように物理演算が多く発生するゲームや「Forza Horizon 5」のように大規模なオープンワールドゲームなど、ゲームの性能がCPUに制限されている場合には、DLSSによる効果を大きく感じることができるでしょう。

DLSSを活用すれば、フレームレートの劣化を気にすることなくグラフィックス優先のゲーム環境を楽しむことができます。

GPUへの負荷を軽減できる

ディープラーニングスーパーサンプリングを利用すれば、通常のレンダリングと比較して、GPUへの負荷も軽減できるメリットがあります。GPUへの負荷が軽減できる理由は、DLSSが低解像度の状態でも高フレームレートを実現できるからです。

DLSSの活用によりGPUのリソースに余力ができるため、GPUへ大きな負荷がかかる「レイトレーシング」を使うことも容易になり、さらに鮮明な高品質なゲームを楽しむことができます。

【ケース別】ディープラーニングスーパーサンプリングを楽しみたい方におすすめのPC

ディープラーニングスーパーサンプリングは、高度な技術であるため、高性能なゲーミングPCが必要です。ここでは、DLSSを楽しみたい方におすすめのPCを3つのケース別に紹介します。

コスパを優先したい人向け

コスパを優先したい場合には、ミドルレンジのGPU・CPUを搭載したPCにすると良いでしょう。そこでおすすめなのが、「Dell G15 ゲーミングノートPC」です。

Dell G15 ゲーミングノートPC

画像引用元:Dell

このPCでは「NVIDIA GeForce RTX4050・インテル Core i7-13650HX・フルHD」が採用されており、GPU・CPU・ディスプレイともにミドルレンジのものが採用されています。また、30万円以上かかるゲーミングPCが多い中で、このPCは20万円を切っており、コストパフォーマンスに優れています。

コスパを優先するなら、このPCのように「NVIDIA GeForce RTX 4050」のGPUが搭載されているPCを選ぶと良いでしょう。

スペック重視したい人向け

スペックを重視したい場合には、ディープラーニングスーパーサンプリングに対応しているPCのうち、現時点で最も高性能な「NVIDIA GeForce RTX 4090」が搭載されているオンプレミス型のPCにすると良いでしょう。たとえば、「iiyama SENSE-F0X7-LCR79X-XLX」がおすすめです。

iiyama SENSE-F0X7-LCR79X-XLX

画像引用元:パソコン工房

このPCでは、24GBもある「RTX 4090」に加え、AMD製の高性能CPUの「Ryzen 9 7900X」と1TBの大容量SSDストレージが採用されています。GPU・CPUともに新しいモデルであり、メモリ・ストレージ容量もゲーミングPCとして十分です。

ただし、このPCはノート型ではないため、モニターが付属しておらず、別途フルHD以上のハイスペックなモニターを用意する必要があります。スペックを優先するのであれば、GPUに合わせてCPUとディスプレイもハイエンドモデルのものがおすすめです。

最新モデルがいい人向け

ディープラーニングスーパーサンプリングに対応するGPUのシリーズは、現在進行形で開発が進められています。新しいモデルを使いたい場合には、「GALLERIA XA7C-R46T」のGPUにあるように「RTX 4060」シリーズがおすすめです。

RTX 4060

画像引用元:ドスパラ

「RTX 4060」のGPUはミドルレンジのモデルであるため、このPCのように20〜30万円台と比較的価格も良心的です。「RTX 4060」シリーズは、2023年5月に販売開始されたばかりのモデルであるため、今後も新しいPCが次々と登場するでしょう。

ディープラーニングスーパーサンプリングの注意点

ここでは、ディープラーニングスーパーサンプリングの注意点を解説します。注意事項に従わない場合にはDLSSを試せないケースもあるため、それぞれチェックしておきましょう。

対応しているGPUが限られている

ディープラーニングスーパーサンプリングは、一部のGPUでしか対応していません。

2023年5月末時点で、DLSS3に対応しているシリーズは「NVIDIA GeForce RTX 40」で、「4090・4080・4060・4050」の4種類のみです。「RTX 40」シリーズでは、DLSS3の高度な処理ができる「第4世代のTensorコア」が採用されているからです。

そのため、DLSS2・1に対応しているGPUシリーズでも、別世代のTensorコアが搭載されている場合には、バージョン3には対応できません。また、AMDなどのNVIDIA以外のGPUでもDLSSを使うことができないため、購入する際には注意しましょう。

すべてのゲームで使えるわけではない

ディープラーニングスーパーサンプリングは、すべてのゲームで使える機能ではありません。現時点では全部で35のゲームでしか対応しておらず、バージョン2を使えても3には対応していないゲームも多くあります。

そのため、DLSSを試してみたい場合には、必ず公式サイトにて対応ゲームを確認するようにしましょう。

ゲーミングPC向けのGPUなら「M:CPP」がおすすめ

MCPP

さまざまなゲーミングPCが提供されていますが、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」がもっともおすすめです。M:CPPは、AMD製のハイスペックなGPUを低コストで利用できるクラウドGPUサービスです。高性能なGPUを購入するには相当なお金がかかりますが、M:CPPを利用すれば格安でゲーミングPCを用意することができます。

それでは、M:CPPの機能やゲーミングPCにおすすめである理由について詳しく解説していきます。

M:CPPの特徴

M:CPPの特徴は次のとおりです。

  • ローモデル・ミドルモデル・ハイエンドモデル・ウルトラパフォーマンスの4つのプランが提供されている
  • システム環境を「ベアメタル」と「プリインストール」から選べる
  • 専有サーバーとして利用できる

クラウドGPUをゲーミングPC用として使う場合には、応答速度に影響が出る「ノイジーネイバーやオーバーヘッド」が問題になりがちです。その点、M:CPPでは、システム環境をOSすらインストールされていない「ベアメタル」にできるため、応答速度の課題を解決し快適なゲーミング環境を実現できます。

なお、M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』をチェックしてみてください。

M:CPPを使うメリット

M:CPPを使うメリットは次のとおりです。

  • CPUの変更やHDDの増設など、GPU以外のスペック調整ができる
  • 代表的なGPUクラウドと比較して「2分の1以下」の費用で導入でき、コストパフォーマンスに優れている
  • GPUサーバーの所在国が日本であるため、通信にかかる時間が短い
  • プロのエンジニアにプランを相談できる
  • お試し利用期間があるため安心して使い始められる

M:CPPでは、ゲームに合わせて柔軟にGPUやCPUのスペックを変更することができ、コストパフォーマンスを最適化することができるメリットがあります。

まとめ

ディープラーニングスーパーサンプリングとは、NVIDIAのスーパーコンピュータとディープラーニング技術を利用したリアルタイムレンダリング技術です。DLSSを活用すれば、低解像度でも応答速度・フレームレート・グラフィックスの向上が期待できます。

また、高性能なゲーミング環境を整える上では、ハイスペックなGPUが必要です。そこで、ハイスペックなGPUを安くそろえたい方におすすめなのが、当社モルゲンロットが提供するクラウドGPUサービス「M:CPP」です。

M:CPPでは、大手クラウドGPUよりの半分以下の費用で導入できるため、手軽にハイスペックなGPU環境を実現できます。また、ゲームに合わせて柔軟にGPUやCPUのスペック調整も可能です。

そのため、コスト面がネックで高性能なゲーミングPCを諦めていた方も、まずは当社の「M:CPP」を利用してみてはいかがでしょうか?

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