
快適なゲーム環境を整えるためには、PCパーツの中でも「GPU」にこだわる必要があります。とはいえ、そもそもどのようなPCパーツなのかよく知らない方も多いのではないでしょうか?
今回は、ゲーミングPC用のGPUを選ぶときのポイントをわかりやすく解説します。また、低価格で高性能なゲーム環境を実現できる「クラウドGPU」も紹介します。ゲーム環境をアップグレードさせたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもGPUとは
「GPU」とは、3DゲームやVRなどの高画質な画像を描画する処理に特化した半導体チップのことです。GPUには画像処理を行うための「コア」が1,000個以上も搭載されており、高速に画像データを処理できます。
最近では、「ファイナルファンタジーシリーズ」のようなグラフィックス重視のゲームや、「Meta Quest 2」のようなVR技術を使ったゲームなど、高性能なGPUがなければ満足に楽しめないものも増えてきています。
また、よく似たことばのCPUとGPUは、「処理の汎用性」という点でまったく異なるため、間違えないように注意してください。CPUはコンピュータ全体の処理を行えるのに対して、GPUは画像に特化した処理に限定されています。
GPUの種類
GPUは、家庭向けPCによく搭載されている「内蔵GPU」やゲーム実況者が利用している「グラフィックボード」、最近注目度が上がっている「クラウドGPU」など、さまざまな種類に分けられます。ここでは、3つの種類の特徴やメリットを解説します。
内蔵GPU
内蔵GPUとは、CPUの一部にGPUが組み込まれているタイプのGPUです。CPUに内蔵されているため、CPUとメインメモリを共有する形式を取ります。
そのため、独立したメインメモリがある他のGPUと比べて、メモリ容量が不足しやすいことから、リアルタイム性を重視するゲームのように重たい処理には不向きです。
ただし、他のGPUに比べ安価であることから、家庭向けや社用PCの多くが、内蔵GPUを採用しています。内蔵GPUは、ゲームPCのスペックよりもコストの低さを優先したい場合に最適なGPUです。
グラフィックボード
グラフィックボードとは、GPUやVRAM、冷却装置など複数の機器が搭載されているPCパーツのことです。PC内部のパーツである「マザーボード」に組み込まれているタイプと、独立しているタイプの2種類に分けられます。
特に、独立型のグラフィックボードは、内蔵GPUと比較して大型化しやすく、コアを大量に搭載できるため、繊細な描画が可能です。また、VRAMと呼ばれるGPU専用のメインメモリを使って処理ができるため、メモリ不足になりにくいメリットもあります。
独立タイプのグラフィックボードは、3DアクションゲームやVRゲームなど、高度な処理がかかるゲームに適しているGPUです。
クラウドGPU
クラウドGPUとは、インターネットを介してGPUを利用できるクラウドサービスのことです。クラウドGPUを契約することによって、高性能なGPUやCPU、大容量のストレージを使いたいタイミングでいつでも使用できます。
最近は、VR需要の高まりにより、多種多様なクラウドGPUサービスが増えてきており、コスト重視のGPUから最高パフォーマンスが可能なGPUまで幅広く提供されているため、ゲームに合わせてスペックを自由に選べるメリットがあります。
クラウドGPUは、さまざまなスペックを持つGPUを気軽に契約できる「身軽さ」が魅力的なGPUです。
ゲーミングPC用のGPUを選ぶ際のポイント
GPUにはさまざまなサービスがあるため、自分に合ったゲーミング環境を構築するのは簡単ではありません。ここでは、ゲーミングPC用のGPUを選ぶ際のポイントを3つ解説します。
ゲームの必要動作・推奨環境
1つ目の選び方のポイントは、「ゲームの必要動作・推奨環境」です。
多くのゲームにおいて、一般的にゲームでは、最低限ゲームを動かすために揃えるべき「PCの必要動作環境」と、快適にゲームを楽しむための「推奨環境」が決められています。たとえば、「ファイナルファンタジーXIV」では、下の表のようにそれぞれ指定されています。
GPUの指定項目 | 必要動作環境 | 推奨環境 |
---|---|---|
GPUのシリーズ | ・NVIDIA Geforce GTX750 ・AMD Radeon R7 260X |
・NVIDIA Geforce GTX970 ・AMD Radeon RX 480 |
GPUのメインメモリ(VRAM) | 4GB以上 | 8GB以上 |
特に、必要動作環境以下のGPUでは起動すらできなかったり、起動できてもエラーが発生したりと、遊ぶことができないケースもあるため注意が必要です。また、各ゲームタイトルでGPUの推奨シリーズや必要なメインメモリの大きさが異なるため、GPUを選ぶ前には必ず公式ホームページで確認しておくと良いでしょう。
各メーカーのシリーズ
2つ目の選び方のポイントは、「各GPUメーカーのシリーズ」です。
GPUのメーカーごとに、ゲーミングPC用のシリーズがあります。そのため、必要動作環境が決められていないゲームの場合には、次のゲーミングPC用シリーズから選ぶことをおすすめします。
- NVIDIA GeForce RTX・GTX
- AMD Radeon RX
各GPUメーカーでは、上記以外にもAI用のシリーズや動画編集者向けのシリーズなど、さまざまな用途別に展開されているため間違えないようにしてください。
価格
3つ目の選び方のポイントは、「価格」です。
一般的に最新で機能がたくさん搭載されたハイスペックなGPUになるほど、価格が上がります。高性能なGPUが搭載されるゲーミングPCでは、「50万円」を超えるケースも珍しくありません。そのため、予算に限りがある場合にはスペックを落として選ぶ必要が出てきます。
スペックを妥協したくない場合には、AMD製のGPUがおすすめです。その理由は、同じくらいのスペックの場合には、NVIDIA製のGPUよりもAMD製の方が安くなる傾向にあるからです。そのため、NVIDIA製のGPUが高くて予算オーバーになる場合には、AMD製のシリーズに絞って選ぶと良いでしょう。
ゲーミングPCにクラウドGPUがおすすめである理由
ゲーミングPCには、内蔵GPUやグラフィックボードではなくクラウドGPUがおすすめです。ここでは、おすすめである理由を解説します。
高性能なGPUを安く利用できる
クラウドGPUを利用すれば、高性能なGPUを安く利用できるメリットがあります。たとえば、当社モルゲンロットが提供するクラウドGPUサービスの「M:CPP」では、高画質な「WQHD環境」でもスムーズにゲームができるAMD製の「Radeon RX Vega 56」を6万円以下から利用できます。
そのため、少しでも出費を抑えるうえで、ゲーミングPCには導入コストを大きく下げられるクラウドGPUがおすすめです。
環境構築の手間が省ける
クラウドGPUは、インターネット環境さえ準備できれば、あとはクラウドシステムにつなげるだけでGPUを使い始めることができます。
通常であれば、マシンを組み立てたり、OSをインストールしたりと、環境構築を自分でする必要があります。クラウドGPUを利用すれば、環境構築にかかる時間や手間が省けることから、気軽にゲームを始めたい方におすすめです。
GPUの管理をしなくて良い
据え置き型のグラフィックボードでは、セキュリティや温度調整など、自分で管理や調整をする必要があります。
一方で、クラウドGPUはベンダーが管理をするため、GPUの安全面に気を使わなくて良いというメリットがあります。そのため、機械のセキュリティ管理に自信がない場合には、管理をベンダーに任せられるクラウドGPUがおすすめです。
ゲーミングPC用のクラウドGPUなら「M:CPP」がおすすめ
ゲーミングPC用のクラウドGPUは、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」がもっともおすすめです。
M:CPPとは、AMD製のハイスペックなGPUを低コストで利用できるクラウドGPUです。ここでは、M:CPPのサービス特徴やゲーミングPCにおすすめである理由について詳しく解説していきます。
M:CPPのサービス特徴
M:CPPの特徴は次のとおりです。
- ローモデル・ミドルモデル・ハイエンドモデル・ウルトラパフォーマンスの4つのプランが提供されている
- GPUサーバーの初期システム環境を「ベアメタル」と「プリインストール」のどちらも選べる
- 専有サーバーとして利用できる
M:CPPは、システム環境の選択肢があることや、豊富なプランから選べることから、利用者のニーズに合わせたサービスが特徴的といえます。なお、M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』をチェックしてみてください。
M:CPPがゲーミングPCにおすすめである理由
M:CPPがゲーミングPCにおすすめである理由は次のとおりです。
- CPUの変更やHDDの増設など、GPU以外のスペック調整も可能
- 代表的なGPUクラウドと比較して「2分の1以下」の費用で導入でき、コストパフォーマンスに優れている
- GPUサーバーの所在国が日本であるため、通信にかかる時間が短い
このように、M:CPPはコストを抑えつつゲームに合った快適な環境を整えられるため、ゲーミングPCにおすすめのサービスといえます。
【GPU以外にも】ゲーミング環境に重要なPCパーツとスペック目安
いくら高性能なGPUを用意しても、CPUやディスプレイのスペックが低く、相性が悪い場合にはGPUの性能の高さが活かされません。ここでは、GPU以外にも重要なPCパーツとそれぞれのスペック目安を解説します。
CPU
CPUとは、GPUへの命令処理やメモリ・マウスなどの外部装置の制御など、コンピュータ全体の計算を処理する半導体チップです。
CPUの性能が低いと、マウス処理が遅くなったり、操作上でラグが発生したりと、全体的な操作が重たくなります。そのため、快適なゲーム環境を整えるうえでは、CPUのスペックもかなり重要です。
CPUのスペック基準はさまざまなものがありますが、よくわからない場合には「モデルナンバー」に注目すると良いでしょう。具体的には、次に挙げるモデルナンバーよりも上位のモデルを選ぶと快適なゲーミング環境を実現できます。
- Intel製:Core i5 11600・Core i7 11700
- AMD製:Ryzen 7 5800・Ryzen 9 5900
ゲームの動作環境で指定されていない場合には、上記シリーズのモデルナンバーを参考に選びましょう。
メモリ
メモリとは、コンピュータ内部のデータを一時的に保存する主記憶装置です。メモリ容量が十分でないCPUとGPUでは、処理速度が遅くなったり動きが重たくなってしまったりと、さまざまな不具合が生じます。
そのため、動作上のストレスなくゲームをするためには、容量が大きいメモリが必要です。CPU・GPUそれぞれにおけるメモリのスペック目安は、次のとおりです。
PCパーツ名 | スペック目安 |
---|---|
CPU | 8〜16GB |
GPU | 1〜8GB |
特に、CPUは外部デバイスへの命令処理を行うため、大きな容量が必要です。初めから大きなメモリ容量を用意するのが難しい場合には、あとから拡張できるPCを選ぶと良いでしょう。
ストレージ
ストレージとは、ゲーム関連のデータを長期間保存するための装置のことで「HDDとSSD」が代表例です。一般的に、ゲーミング用のPCには、データの高速な読み書きが可能な「SSD」が搭載されています。
ストレージは、ダウンロードしたゲームを保存する用途や、ゲームの動画や画像を保存する用途で利用できます。そのため、HDD・SSDいずれにしても「500GB以上」のものを用意すれば、複数のゲームをダウンロードする場合や実況用の動画を保存する場合にも、容量を気にすることなく遊べるでしょう。
ディスプレイ
ディスプレイとは、ゲームを描画する装置です。GPUが高性能であっても、ディスプレイが低性能では映像がカクつく原因となってしまいます。そのため、快適なゲーミング環境を整えるためには、次のような解像度が高いディスプレイを用意すると良いでしょう。
ディスプレイの種類 | 解像度 | おすすめの人 |
フルHD | 1920×1080 | ディスプレイのコストを抑えたい人 |
WQHD | 2560×1440 | コストと性能のバランスを重視する人 |
4K | 3840×2160 | 繊細で鮮明な画像表示を求める人 |
特に、シューティングゲームやアクションゲームなどの応答時間の違いが勝敗を分けるゲームでは、高性能な「4K」ディスプレイが必要です。自分がするゲームやGPUに合わせて、最適なディスプレイ環境を用意しましょう。
まとめ
快適なゲーム環境を構築するためには、高スペックなGPUが必要です。とはいえ、高性能なGPUは50万円以上するものも多く、予算面を考慮すると簡単なことではありません。
そこで、コストを抑えつつ高性能なGPUを提供している「クラウドGPU」がおすすめです。クラウドGPUを活用すれば、据え置き型のグラフィックボードよりも大幅に導入・管理コストを抑えることができます。
さまざまなクラウドGPUが提供されていますが、当社モルゲンロットが提供するクラウドGPUサービス「M:CPP」が最もおすすめです。
M:CPPでは、大手クラウドGPUよりの半分以下の費用で導入できるため、手軽にハイスペックなGPU環境を実現できます。コスト面がネックで高性能なゲーミングPCを諦めていた方も、まずは当社の「M:CPP」を利用してみてはいかがでしょうか?