
近年、Webサイト運営やゲーミングPCの需要増加に伴い、「GPUクラウド」が注目を集めています。「どのサービスが自社に合っているかがわからない」などと、疑問や不安がある方も多いのではないでしょうか?
今回は、GPUクラウドサービスを提供する「M:CPP」が、7つのGPUクラウドを徹底比較します。また、当社のサービスも詳しく紹介するので、サービスを比較検討中の企業の皆さまはぜひ最後までご覧ください。
GPUクラウド運用のデメリット
GPUクラウドの運用にはメリットが数多くある一方で、デメリットもあります。ここでは、3つのデメリットを紹介します。クラウドサービスに馴染みがない方や、オンプレミス型のGPUから乗り換える予定の方は、後悔しないためにもそれぞれチェックしておきましょう。
カスタマイズの自由度が低い
オンプレミス型のGPUでは、自社でGPUマシンを保有するため、開発環境に応じて搭載数を増やしたり、ストレージを拡張したりと、比較的自由にカスタマイズ可能です。一方で、GPUクラウドを運用する場合にはベンダーが提供するGPUを利用することになるため、自社に合わせて自由にカスタマイズできません。
たとえば、GPUクラウドでは、GPUの種類や搭載数、メインメモリ・ストレージの容量など、スペックやリソースがベンダー側で決められています。そのため、開発規模の拡大に伴い、GPUリソースの拡張が必要になった場合では、別のクラウドGPUへ契約変更やオンプレミス型のGPUを新たに購入する必要が出てくる可能性もあります。
クラウドGPUの運用を成功させるうえでは、必要に応じてスペックを変えられるように、複数のプランが用意されているGPUクラウドサービスなど、GPUやCPUをカスタマイズしやすいサービスにしておくと安心です。
GPUのセキュリティがベンダー依存になる
GPUクラウドは、ベンダーがGPUの管理を行うため、マシンのセキュリティがベンダー依存になるデメリットがあります。ベンダー側のセキュリティ対策が十分でない場合には、利用しているGPU経由でウィルスに感染し、社内システムが停止してしまったり、大切な顧客情報が漏えいしてしまったりするケースもあります。
そのため、クラウドGPUサービスを経由して自社アプリやAIサービスを提供する際には、顧客側にも迷惑が及ぶリスクもあるため、特に注意が必要です。安全にGPUを運用するためにも、Pマーク・ISMSなどのセキュリティ認証を取得しているサービスや、複数のログイン認証でアクセスするサービスなど、セキュリティの信頼性が高いクラウドGPUを選ぶようにしましょう。
リソースが限定される
クラウドGPUサービスの中には、複数のユーザーで同一のサーバーを共有する場合があり、GPUリソースが限定されてしまいます。GPUリソースが限定されていると、処理スピードが低下したり、小さなモデルしか動かせなかったりと、開発上で大きなデメリットがあります。
そのため、開発をスムーズに行ううえでGPUリソースを確保したい場合には、初期に何もインストールされていない「ベアメタル」を選べるサービスや、専有サーバーとして使えるサービスにするとよいでしょう。
GPUクラウドの選び方
このように、GPUクラウドはさまざまなメリットを有していますが、次に問題となるのがサービスの選び方です。ここでは、GPUクラウドを選ぶ際の指標についてポイントを紹介します。
スペックで選ぶ
一つ目のポイントは、単純なGPUのスペックです。GPUの性能は提供しているサービスやプランによってさまざまですが、GPUクラウドの料金プランを見てみると、各社で異なるGPUを提供していることがわかります。
すでに目的や使いたいGPUが決まっている場合には、スペックを参考にしながらクラウドサービスを選ぶことをおすすめします。
また、目的に応じて選ぶべきGPUも変わってくるため、この点についても一考の余地はあります。例えば、NVIDIAが提供するGeForceモデルのGPUはAIとの相性が良く、ハイエンドなパフォーマンスを求めている場合には最適です。
一方のAMDのRadeonなどのGPUは、映像の描写力に優れており、安価なモニターでも美麗な映像を出力できるため、映像関係者にはありがたいGPUとなっています。
GPUの使い方は人によってさまざまであるため、この辺りのスペックや特徴を参考にした選び方は大きな指標となってくれるはずです。
価格で選ぶ
GPUクラウドを選ぶ上でもう一つ大きな指標となるのが価格です。GPUクラウドはオンプレミスに比べてコストパフォーマンスに優れていますが、どの事業者のサービスを利用するかによって、コストパフォーマンスの良し悪しは大きく異なります。
基本的に、高い性能のGPUを導入しているサービスやプランほど価格も高価になり、その逆もまた然りです。とにかく安くリソースを手早く確保したい場合には安いプランのものを、ハイエンド環境を求めるのであればスペックを重視し、価格は後回しということでも問題ないでしょう。
料金についても、1時間単位で利用ができるもの、月額や年間で利用ができるものなど、ベンダーやプランによって用意しているものはさまざまです。各社のプランやスペックを見比べながら、最適な価格のものを選び、コストパフォーマンスを最大化しましょう。
対応リージョンで選ぶ
GPUクラウドはグローバルなサービスであるため、サーバー本体は世界中に点在しています。そして、サービスの提供も地域ごとに内容がバラバラであるため、必ずしも同一のサービスを世界中のどこからでも利用できるとは限りません。
中には欧米にしか対応しておらず、日本では利用できないものや、逆に日本でしか利用ができないケースもあり得ます。お得なサービスを見つけたとしても、まずはリージョンが職場に対応しているかどうかを確認しましょう。
特に、海外と日本の両方に拠点を持ち、両方で同一のサービスを使いたい場合には、両地域に対応しているクラウドを選ぶ必要があります。あらかじめ確認しておきましょう。
主要なGPUクラウドを比較
ここで、主なGPUクラウドがどのようなサービスを展開しているのかについて、それぞれの特徴とともに確認しておきましょう。
AWS
Amazon Web Service、通称AWSは、BtoB向けのクラウドサービスを数多く提供しています。GPUサーバーの提供ももちろん行っており、NVIDIAのV100を搭載したサーバーで、ユーザーのニーズへ確実に応えてくれます。
AIに最適化されたTensor Coreを搭載しているので、機械学習やディープラーニングを行いたい際には最適のシステムです。
料金は一時間あたり0.9ドル程度から利用ができ、必要に応じてスペックも強化できるため、柔軟性に優れるサービスです。
Azure
Microsoftが提供するAzureも、AWS同様NVIDIA製品を利用したGPUクラウドの提供を行っています。価格についてもAWSとほぼ同じ料金設定となっていますが、契約年数に応じて時間あたりの料金は安価になるため、長期の運用を検討している場合にはより安価に利用することができるでしょう。
さらに安価に利用したい場合には、スポット契約という選択肢もあります。未使用のリソースを買い取るという手法で、うまく成立すれば通常の半額近い料金での利用も可能です。
ただ、スポット契約は安定して行えるとは限らず、短期間での契約に限定されているケースもあります。時と場合に応じて選ぶようにすると良いでしょう。
GCP
GCPは、Googleが提供するクラウドサービスの一つで、近年注目を集めています。GCPの特徴は、なんといっても、他のGoogleサービスとの連携能力に優れている点が挙げられます。
Google MapやGoogleフォトなど、これらのサービスのデータ活用をスムーズに行いたい場合は、GCPの利用は効果的な選択肢です。データ分析や機械学習を円滑に行いたい場合、活躍が期待できるサービスです。
GPUはNVIDIAのTesla V100を導入しており、ハイエンド環境を求めている場合にも最適です。
GPUSOROBAN
ハイレゾ社のGPUSOROBANは、「NVIDIA A100」や「NVIDIA A4000」など、AI開発向けのGPUを低コストで利用できるクラウドGPUサービスです。データベースやストレージなどの関連サービスを提供せず、GPUインスタンスのみを提供することで低価格でのサービスを可能にしています。
GPUSOROBANのGPUマシンでは、UbuntuOS・CUDA・NVIDIAドライバーなどのシステムがプリインストールされている状態で利用を開始できるため、環境構築の手間を省けるメリットがあります。
また、日本人スタッフによる使用方法や環境構築のアドバイスサポートもあるため、初めてGPUを導入する場合にも安心して利用可能です。
IDCFクラウド
IDCフロンティア社のIDCFクラウドとは、「NVIDIA Tesla P100」や「NVIDIA Tesla M40」など、ハイスペックなGPUを専有サーバーとして使用できるクラウドGPUサービスです。
IDCFクラウドでは、GPUリソース以外にも、ネットワーク・データディスク・クラウドストレージなど、さまざまな関連サービスを必要に応じて利用することができます。
また、VPN機能や2段階認証、ファイアウォール機能などのセキュリティ機能も充実しているため、外部ネットワークからの不正アクセスの心配も必要なく、安心して使えるメリットもあります。さらには、電話やメールだけでなく、24時間365日対応のオンラインサポートもあるため、GPUを運用中に障害が起きても安心です。
さくらのクラウド
さくらのクラウドの高火力シリーズでは、「NVIDIA Tesla P40・NVIDIA Tesla P100・NVIDIA Tesla V100」の3つのハイスペックなGPUから選んで使えるプランが提供されています。
GPUの最大搭載数の変更や、CPUやSSD・HDDの追加や、回線のアップグレードなど、豊富なオプションサービスも用意されており、開発ニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできるメリットがあります。
また、月額・日額・時間額の3つの支払い形態から選べるプランもあるため、開発状況や利用頻度に合わせて無駄なく最適なコストで使えるのも魅力です。
IBM Cloud
IBM Cloudは、IBM社のクラウドサービスの総称で、ベアメタルと仮想サーバーのどちらにも対応しているクラウドGPUサービスです。利用できるGPUは「NVIDIA Tesla P100」と「NVIDIA Tesla V100」で、いずれも機械学習やVRなど高度な開発でもスムーズに利用できるハイスペックなタイプです。
また、サービスの一つである「IBM Watson」では、AI用のデータ処理からモデルの選択からパラメータの最適化、モデルのテストまで、ワンクリックでAIの実行に必要な一連の操作が可能です。
IBM Watsonをはじめ、IBM CloudではAI・機械学習開発向けのクラウドサービスが多数用意されており、IBM Cloud一つでAI開発に必要な環境を整えられるメリットがあります。
GPUクラウドサービスなら「M:CPP」がおすすめ
さまざまなGPUクラウドサービスが提供されていますが、もっともおすすめなのは、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」です。
M:CPPは、AWSやGCPなどの大手GPUクラウドよりも、大幅に費用を抑えて利用できる魅力があります。ここでは、M:CPPについて次の内容を解説していきます。
- 特徴
- メリット
- 料金体系
- 利用の流れ
M:CPPとは
M:CPPとは、大手半導体メーカーのAMD社の「ハイエンドモデルのGPU」を好きなタイミングで利用できるクラウドGPUサービスです。
AIやディープラーニングはもちろんのこと、大規模な分析やCGレンダリングなど、あらゆるシーンで活用できるようにさまざまなサービスやサポートが提供されています。また、低コストで手軽に試せるプランから、高スペックなGPU・CPUが利用できる企業開発向けプランまで、幅広いプランから選ぶことが可能です。
このように、M:CPPには利用上でたくさんの魅力があり、JAXA STARTUPとして第一線で活躍中の「株式会社天地人」のほか、多くの企業で活用されています。
特徴
M:CPPの主な特徴は次のとおりです。
- GPU・CPUのスペック別に「ローコスト・ミドルクラス・ハイクラス・ウルトラパフォーマンス」の4つのプランが提供されている
- 初期環境を「ベアメタル」と「プリインストール」のどちらも選べる
- 専有サーバーとして利用できる
- 日本国内にあるGPUサーバーを利用できる
- CPUの変更やHDDの増設など、GPU以外にも柔軟にカスタマイズできる
M:CPPは、利用者の既存環境やニーズに合わせてGPU環境のオーダーメイドが可能で、シンプルなGPUサーバーから開発環境が構築済みのGPUサーバーまで、幅広く提供しています。
なお、M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』をチェックしてみてください。
メリット
M:CPPのメリットは次のとおりです。
- 大手GPUクラウドと比較して「2分の1以下」の費用で高性能なGPUを導入でき、コストパフォーマンスに優れている
- フリートライアル期間で本格導入前にお試しで利用ができる
- 利用中のアップグレード・ダウングレードにも柔軟に対応してもらえる
- TensorflowやPytorchなどのディープラーニング用のライブラリやフレームワークに対応している
- AnacondaやDocker環境などディープラーニング用の実行環境の構築をプロのエンジニアからサポートしてもらえる
M:CPPは、クラウドGPUを初めて導入する方でも安心して開始できるように、プロのエンジニアによるサポートが充実しています。特に、ディープラーニング用の環境構築サポートが充実しているため、M:CPPを利用すればスムーズにAI事業を始められるのも大きなメリットといえるでしょう。
なお、M:CPPのコストパフォーマンスの良さは、『AWSとM:CPPのコストパフォーマンスを比較する』にて詳しく解説しているので参考にしてみてください。
料金体系
M:CPPの料金体系は、「月額定額制」です。使用量に依らず、定額で利用できるため、GPUサーバーを使えば使うほどお得になります。具体的には次のように、それぞれのプランごとに月額料金が決められています。
プラン | 月額契約料金例 |
---|---|
LOW COST | 47,150〜58,400円 |
MIDDLE CLASS | 65,250〜76,500円 |
HIGH CLASS | 111,450〜122,700円 |
ULTRA PERFORMANCE | 125,600円 |
また、M:CPPでは、ストレージの使用料やネットワーク利用料も上記のプラン料金に含まれているため、コストの見積もりが簡単です。希望の予算がある場合には、スペックを含めて相談してみると良いでしょう。
利用の流れ
M:CPPの利用を開始する流れは次のとおりです。
- 「M:CPPの公式サイト」へアクセスする
- 利用希望の旨をメールで問い合わせる
- 当社エンジニアがヒアリング〜プランの提案を行う
- フリートライアルを開始する
- 正式にご利用を開始する
M:CPPでは、自社の利用用途に合わせてプロのエンジニアからプランを提案してもらえるため、GPUやAIの知見がなくても自社にとって最適なGPU環境を導入することができます。なお、問い合わせからプラン提案まで完全無料なので、興味がある場合には気軽にお問い合わせください。
まとめ
近年AIやVR、ゲーミングPCでの活用ニーズが増え、コスト・管理面で手軽にGPUを導入できる「GPUのクラウドサービス」が注目されています。クラウドGPUを運用する場合には、オンプレミス型に比べてコストパフォーマンスがよくなる点やBCP対策になる点など、さまざまなメリットがあります。
需要に伴い、AWSやGCP、IBMCloudなど、大手IT企業から多種多様なGPUのクラウドサービスが提供されていますが、当社モルゲンロットの「M:CPP」が最もおすすめです。
M:CPPは、大手クラウドGPUにかかる費用の半分以下で利用できるコストパフォーマンスに優れたクラウドGPUです。ウルトラパフォーマンスからローコストまで全10種類のプランを提供し、各プランではGPU・CPU・ストレージなどをご希望に合わせて柔軟にカスタマイズしていただけます。
そのため、コスト・カスタマイズ性がネックで今までクラウドGPUの導入を先送りにしていた企業の皆さまも、まずは当社のM:CPPを検討してみてはいかがでしょうか?