【2023】個人向けのGPUのクラウドサービスとは?メリットとおすすめの人を紹介

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近年、VRゲームやAIのニーズが増加し、家庭用のPCでも簡単に使える「GPUのクラウドサービス」が増えてきています。さまざまなタイプの製品があるため、迷っている方も多いでしょう。

今回は、個人利用向けのGPUクラウドサービスやメリット、おすすめの人を解説します。また、費用を抑えつつ高性能なPC環境を実現できるクラウドGPU「M:CPP」も紹介します。自分用に高性能なGPUをお探しの方は、ぜひ最後までご覧ください。

GPUのクラウドサービスとは

GPUのクラウドサービスとは、ベンダーの管理下にあるGPUをクラウドシステムを経由して利用できるサービスのことです。インターネット環境さえ整えれば、家庭用のPCから好きなタイミングで豊富なGPUリソースを利用できます。

たとえば、AI用の開発プラットフォームが組み込まれているタイプや、オンプレミス型のGPUのように専有サーバーとして利用できるタイプなど、多種多様なサービスが提供されています。

GPUのクラウドサービスは、NVIDIAやAMD製のGPUを気軽に使えるサービスであるため、自宅に高性能なゲーミング環境やAI環境を整えたい場合に最適です。

GPUクラウドサービスのメリット

GPUクラウドサービスには、費用面や管理面においてさまざまなメリットがあります。ここでは、そのメリットを解説します。オンプレミス型のGPUサービスと比較するので、どちらを使うか迷っている方は参考にしてください。

購入費用を抑えられる

オンプレミス型のGPUを購入する場合、中古のミドルエンドモデルでも10万円以上かかります。特にAIやVRなど高度な処理を行うには、ハイスペックなGPUが必要になるため、購入費だけで100万円以上かかるケースもあります。

一方で、GPUのクラウドサービスでは初期費用が不要なうえに、月額5万円でハイスペックなGPUを利用可能です。またクラウドサービスの中には、GPUを使用した時間分しかかからないサービスもあり、GPUに必要なコストを最小限に抑えることができます。

GPUクラウドサービスを利用すると、オンプレミス型GPUにかかる購入費の10分の1で使い始められるメリットがあります。

最新のGPUを使える

AIやゲーム技術の進歩は著しく、それに伴い開発環境のGPUもスペックを強化する必要があるため、次々と最新モデルが提供されています。たとえば、「ディープラーニングスーパーサンプリング 3.0」に対応しているGPUは、2022年から販売が開始された「NVIDIA Geforce RTX 4000シリーズ」のみで、2年前まで主流だった3000シリーズは対応していません。

この例のように、一昔前のGPUでは最新技術に対応できないケースもあり、最新のAI・ゲーム技術に十分な開発環境を整えるには、常に新しいGPUが必要です。

とはいえ、オンプレミス型のGPUは購入費の負担が大きいため、最新のモデルを購入し続けるのは難しいでしょう。

一方で、GPUのクラウドサービスでは利用者の開発ニーズに合うように、最新のGPUが利用できるプランが提供されています。GPUのクラウドサービスでは契約するだけで、新しい世代のGPUを使い続けることができるため、常に最新の開発環境を整えられるメリットがあります。

環境構築の手間を減らせる

オンプレミス型GPUの場合、AIやゲームができるように自分でOSやドライバーをGPUにインストールしたり、プログラミング環境を整えたりする必要があります。そのため、PCの設定に慣れていない場合は環境構築にかなり労力を使うことになります。

一方で、GPUクラウドサービスでは、環境構築もベンダーに任せることができるケースがあるため、利用者側は契約するだけですぐにAIやゲームを楽しむことができます。GPUクラウドサービスでは、オンプレミス型と比べて環境構築の手間を大幅に減らせるメリットがあります。

管理をプロに任せられる

オンプレミス型では、GPUのセキュリティや温度調整、リソースの最適化などの管理を自分でしなければなりません。特にセキュリティ対策に関しては、知識がない状態で安全に管理することは難しく、ウイルス攻撃の被害を受けてしまうケースもあります。

また、高度な処理を行うとGPUに熱がこもるため、冷却装置を導入したり、風通しを考慮する必要があります。GPUの温度管理が適切でない場合は、早期に故障してしまう可能性もあります。

一方で、GPUクラウドサービスではベンダーが管理するGPUを使う仕組みであるため、必要な管理をプロに任せられるメリットがあります。繊細なGPUの保守・管理を特に気にすることなくAI開発やゲームに集中できるのは、クラウドサービスならではのメリットといえるでしょう。

GPUクラウドサービスがおすすめの人

ここでは、先述したメリットを踏まえて、GPUクラウドサービスがおすすめの人を解説します。GPUで後悔しないためにも、それぞれチェックしておきましょう。

AIを実験できるPC環境を整えたい人

AIを実験できるPC環境を整えたい人には、オンプレミス型GPUよりもGPUクラウドサービスがおすすめです。その理由は、最新のGPUを格安で利用できるからです。自宅でAIを実験できる環境を整えるためには、ハイスペックなGPUと管理スペースが必要になります。そのため、オンプレミス型でそろえる場合は、高額なGPUを買うのに十分なお金とGPUを置けるスペース、維持管理のためのお金を用意しなければなりません。

その点、GPUクラウドサービスでは、初期費用が不要なうえに、GPUはベンダーが管理するため管理スペースも冷却装置などの関連機器も必要ありません。

そのため、GPUクラウドサービスを利用すれば、GPUを利用するためのコストだけで済むため、気軽にAI用の高性能なPC環境を整えることができます。短時間だけ自習用にAIをしたい方や、趣味でAIを試したい方には、GPUクラウドサービスを利用して、AI用の実験環境を整えるとよいでしょう。

ハイスペックなゲーミング環境が欲しい人

ハイスペックなゲーミング環境が欲しい人には、GPUのクラウドサービスがおすすめです。

GPUのクラウドサービスでは、「NVIDIA A4000」や「AMD Radeon RX Vega 56」などの高性能なGPUが提供されているため、自宅用の低スペックなPCでも十分なゲーミング環境を整えられるからです。

リアルタイムシューティングゲームや物理演算を使うシミュレーションゲームなど、重いゲーム用の環境を低コストで整えたい方は、GPUのクラウドサービスを利用するとよいでしょう。

高画質な動画を編集する人

高画質な動画を編集する場合にも、GPUのクラウドサービスで高性能なGPUを利用することをおすすめします。

高性能なGPUをおすすめする理由は、高フレームレートのゲームの実況プレイ動画編集や4K・8Kマルチカム編集ではデータ量が大きくなるため、処理能力が高いGPUでなければ編集ができないからです。

家庭向けPCに搭載される内蔵型のGPUは、処理能力に関わる「コア」数が数百個程度と少なく、メモリはCPUと共有しているため、一度に処理できる量が限られています。そのため、一般的な動画編集には対応できますが、高画質な動画を処理するにはスペックが低いため編集できません。

一方で、GPUクラウドサービスで利用できるGPUは数千個のコアと、独立した大容量のメモリを搭載しているため処理性能が優れています。そのため、GPUクラウドサービスを利用すれば、高画質な動画でもスムーズに編集できる環境を実現できます。

クラウドサービスは契約後すぐにGPU環境を整えられるため、単発で高画質な動画を編集する案件に携わる場合は積極的に利用するとよいでしょう。

個人利用向けのGPUクラウドサービス

近年のGPU需要から、さまざまなGPUのクラウドサービスが提供されています。ここでは、個人向けのGPUクラウドサービスの具体例を5つ紹介します。

それぞれの特徴やメリットを踏まえて、どのような方におすすめのサービスかも解説するので、選ぶ際の参考としてみてください。

GCP(Google Cloud Platform)

GCP

GCPは、Google Cloud内で利用できるGoogleのGPUサービスです。GCPでは「NVIDIA P4・L4・T4・ K80・P100・V100・A100」など、さまざまなスペックのGPUが提供されています。そのため、動画編集やゲーミング環境用にミドルエンドモデルの「P4」を選んだり、本格的なAI開発用にハイスペックモデルの「A100」を利用したりと、個人のニーズに合わせて柔軟に選べるメリットがあります。

このように、GCPは他のクラウドサービスと比較して選べるGPUの種類が多いことから、複数の用途でGPUを使う場合におすすめのサービスです。

AWS(アマゾン ウェブ サービス)

AWS

AWSはAmazonのクラウドサービスの総称で、AIプラットフォームの「SageMaker」や「AWS Batch」など一部のAWSサービス内でGPUを利用することができます。

AWSでは実行環境の「Docker」環境を用いることで、「NVIDIA T4・M60・V100・A100」などの高性能なGPUを自宅のPC環境で使える仕組みです。

AWSは、AWS内のサービスを利用する機会が多い方や、Docker環境に慣れている方におすすめのサービスです。

Microsoft Azure

Azure Machine Learning|Microsoft

Microsoft Azureは、Microsoftのクラウドサービスの総称で、AIプラットフォームの「Azure Machine Learning」や「Data Science Virtual Machine」内でGPUを使用できます。

Azureで利用できるGPUは「NVIDIA M60・V100・A100・AMD RadeonPRO V620・AMD Radeon Instinct MI25」で、大規模なAI向けのものやゲーミング環境に最適なものまで、幅広く用意されています。

Azureでは、NVIDIAとAMDそれぞれのハイスペックなGPUを利用できることから、さまざまなGPUを比較してみたい方におすすめのサービスです。

GPUSOROBAN

GPUSOROBAN

GPUSOROBANは、ハイレゾ社が提供するAI・ディープラーニング開発環境向けのGPUクラウドサービスです。GPUSOROBANでは、「NVIDIA A100・A4000」を使用できるプランが提供されています。

また、GPU・CPU・ストレージなどのハードウェアに加えて、OS・NVIDIAドライバー・CUDAなどのソフトウェアがプリインストールされているため、環境構築をする手間を省けるメリットがあります。

GPUSOROBANでは、AI開発用の技術サポートや環境が整っているため、AI環境用の高性能なPC環境を整えたい方におすすめのサービスです。

さくらのクラウド

さくらのクラウド

さくらのクラウドは、サーバーやネットワークなどインフラリソースを提供するさくらインターネット社のクラウドサービスの総称です。「高火力シリーズ」と呼ばれるサービスで、AI・ディープラーニング向けの高性能GPUである「NVIDIA Tesla V100」が利用できます。

また、GPUの搭載数やOS・CPUの種類をカスタマイズできるプランもあり、必要に応じて柔軟にスペックを調整できるメリットがあります。

さくらのクラウドは、GPU以外のカスタマイズ性を重視する場合におすすめのサービスです。

GPUクラウドサービスの費用相場

GPUクラウドサービスの費用相場は、約10~30万円です。相場額に20万円も開きがある理由は、サービス内で提供されるGPUの種類やスペックが異なるからです。

また、一般的にNVIDIA製のクラウドサービスよりもAMD製の方が安くなる傾向にあります。そのため、費用面を重視する場合には、AMD製のクラウドサービスを利用することをおすすめします。

相場を参考に、コスト面でも納得のいくGPUクラウドサービスを検討しましょう。

個人用のGPUクラウドサービスは「M:CPP」がおすすめ

MCPP

多種多様なGPUクラウドサービスが提供されていますが、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」がもっともおすすめです。M:CPPでは、PCに不慣れな方でも安心して利用できるサポートやサービスが充実しています。

ここでは、M:CPPのサービス概要や個人におすすめの理由について詳しく解説します。

M:CPPのサービス概要

M:CPPは、AMD製のハイスペックGPUを利用できるGPUクラウドサービスです。

M:CPPでは、5万円の低コストで利用できる低コストプランから、ハイスペックGPUが利用し放題の本格的なAI開発向けプランまで、さまざまなニーズに合わせたプランが提供されています。

また、近年のAI活用におけるGPU需要にも対応しており、「TensorFlowやPyTorch、ONNX」などのAI向けフレームワーク・ライブラリの構築サポートを提供しています。

なお、M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』をチェックしてみてください。

M:CPPが個人におすすめの理由

M:CPPが個人におすすめの理由は、次のとおりです。

  • 大手GPUクラウドと比較して「2分の1」の費用で導入でき、コストパフォーマンスに優れている
  • CPUの変更やHDDの増設、Docker環境の構築など、GPU以外にも柔軟なカスタマイズができる
  • プロのエンジニアから利用用途に合わせてプランを提案してもらえる
  • 環境構築の技術サポートが受けられる

特に、契約する前に、最適な契約プランをプロの視点で提案してもらえるのは大きなメリットといえるでしょう。

なお、M:CPPのコスパの良さが気になる方は、『AWSとM:CPPのコストパフォーマンスを比較する』を参考にしてみてください。

まとめ

近年AI・VRゲーム・動画編集の活用ニーズが増え、自宅のPCでも気軽にGPUを導入できる「GPUのクラウドサービス」が注目されています。GPUクラウドサービスでは、ディープラーニング開発向けの高性能なものから、低コストで気軽に使えるものまで、多種多様なGPUが取り扱われています。

さまざまなGPUのクラウドサービスが提供されている中で、もっともおすすめなのは、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」です。

M:CPPでは、大手GPUクラウドにかかる半分の費用で契約できるにもかかわらず、豊富なGPUリソースを提供しています。自宅用にGPUが欲しい方は、まずは当社のM:CPPを検討してみてはいかがでしょうか?

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