【2023】ディープラーニングに必要なGPUサーバーは?選び方とおすすめ製品

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ディープラーニングを実行するためには、「GPUサーバー」が必要です。とはいえ、どのようなGPUがディープラーニングに適しているのかわからない方も多いでしょう。

今回は、GPUサーバーの種類や必要な理由、選び方のポイントを解説します。また、利用ケース別におすすめのGPUについても紹介します。これからディープラーニング事業を始める企業の皆さまは、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも「GPUサーバー」とは

「GPUサーバー」とは、GPUを複数搭載できるコンピュータ機器のことです。GPUを1つ程度しか搭載できない一般的なPCと比べて、豊富なGPUリソースを安定的に確保することができます。

そのため、GPUサーバーは、AIやディープラーニングなどのGPUリソースが大量に必要となる開発を促進できるものとして、さまざまな企業や研究機関において注目を集めています。

GPUサーバーの種類

近年、GPUサーバーの需要が高まっている背景もあり、さまざまなタイプのGPUが提供されています。

ここでは、GPUサーバーの種類を3つ解説します。それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきましょう。

オンプレミス型

オンプレミス型のGPUサーバーとは、ベンダーからサーバー機を購入し、自社で運用・管理を行うサーバーのことです。

オンプレミス型のサーバーを導入すれば、自社のPC環境や人材に合わせて自由にカスタマイズできるメリットがあります。一方で、サーバーを購入するためには「100万円以上」かかるケースも多く、導入コストがかかってしまうデメリットがあります。

オンプレミス型のGPUサーバーについてさらに詳しく知りたい方は、『クラウドGPUとは?オンプレミスと比較したメリット』を参考にしてみてください。

レンタル型

レンタル型のGPUサーバーとは、リース会社から一定期間借りることができるサーバーのことです。GPUサーバーだけでなく、冷却ファンやストレージなどの関連機器やメモリ単体から借りることができるレンタルサービスもあります。

レンタル型のメリットは、複数のサーバーを気軽に比較できることです。レンタル型では、購入する場合の「10分の1程度」で初期費用が済むものも多く、比較的軽い負担で複数のサーバーを試すことができます。

なお、レンタル型のGPUサーバーについては、『GPUはレンタルできる!おすすめサービス会社とチェックポイント』で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

クラウド型

クラウド型のGPUサーバーとは、ベンダーが管理するサーバーをインターネット経由で利用できるサーバーのことです。最近のAI需要の増加から、ディープラーニング用のプログラミング環境やシステム環境が、既にインストールされた状態で利用できるクラウドサービスも増えてきています。

クラウド型のメリットは、インターネット環境さえ整っていれば、自社のPC環境や人材に関係なく高性能なサーバーを導入できることです。クラウド型ではベンダーがサーバーを運用・管理するため、PC初心者でも安全に利用できます。

クラウド型のGPUサーバーが気になる方は、『クラウドサービスのGPUを利用するメリットとは?』も参考にしてみてください。

ディープラーニングにGPUサーバーが欠かせない理由

ディープラーニングにはGPUサーバーが必須といえます。では、なぜサーバーが必要になるのでしょうか?ここでは、3つの理由を解説します。

大規模な計算処理が発生するから

ディープラーニングモデルを実行する際には、大規模な計算処理が発生します。ディープラーニングは、内蔵GPU等のスペックが低いGPUでも実行できる場合がありますが、処理完了までに相当な時間がかかります。

そのため、大きなディープラーニングモデルをスムーズに実行するためには、複数のGPUを搭載したGPUサーバーが必要になるというわけです。

大量のデータを使うから

ディープラーニングの多くが、大量のデータを使って学習を行います。大規模なデータ処理に伴い、よく発生するのがメモリ不足です。メモリ不足が発生してしまうと学習工程が実行できなくなるため、モデルを小さくしたり処理を簡略化させたり、性能を低くする必要が出てきます。

そのため、大量のデータを使ってディープラーニングを行う際にも性能を落とすことなくするためには、十分なメモリ容量を確保できるGPUサーバーが必須といえます。

GPUサーバーが指定されているモデルもあるから

ディープラーニングモデルの中には、GPUサーバーが指定されているものもあります。たとえば、「OpenGAN」の論文では、「GeForce GTX Titan Xで実験を行った」という記載があるように、推奨環境や動作したGPUのスペックが詳しく記載されているモデルもあります。

そのため、論文どおり実験する場合には高性能なGPUが必要になるケースも多いため、ディープラーニングの研究開発を行ううえではGPUサーバーが欠かせません。

ディープラーニングに最適なサーバー選びの5つのポイント

多種多様なGPUサーバーが提供されているため、自社に合ったサーバーを探すのは簡単なことではありません。ここでは、ディープラーニングに最適なサーバー選びの5つのポイントを解説します。

Tensorコア数

1つ目のポイントは、「Tensorコア数」です。

Tensorコアとは、ディープラーニングで必要になる計算処理専用のGPUコアのことです。Tensorコアが多いほど、大きなディープラーニングモデルでもスムーズに実行できます。ディープラーニングの開発スピードを上げるうえでも、「100個以上」のTensorコアが搭載されたGPUサーバーを選ぶことをおすすめします。

コストパフォーマンス

2つ目のポイントは、「コストパフォーマンス」です。

高性能なGPUサーバーを購入すればどのような開発にも対応することができますが、必要以上に高スペックなサーバーを導入してしまうとコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。そのため、コストパフォーマンスを重視する場合には、オーバースペックにならないように注意しましょう。

なお、ディープラーニング環境の推奨スペックは、『ディープラーニングにおすすめPCを紹介!推奨スペックもわかりやすく解説』で詳しく解説しています。

拡張性

3つ目のポイントは、「拡張性」です。

ディープラーニング事業の拡大に伴い、初期サーバーのスペックでは不足する可能性があります。そのため、スペックの拡張が必要になった場合にサーバーの追加購入をしなくても良いように、GPUメモリの搭載数を増やせるものやストレージの追加ができるものなど、拡張性に優れたサーバーを選ぶと良いでしょう。

冷却機能性

4つ目のポイントは、「冷却機能性」です。

ディープラーニングは通常の処理よりも大きな負担がかかるため、サーバー内にすぐ熱がこもってしまいます。そのため、CPU・GPUが高性能な水冷システムが取り付けられているものや、エアフローが考慮された通気性の高いものなど、冷却効率に優れたサーバーを選ぶと良いでしょう。

サーバー内の熱処理がうまくできないと、早く故障する原因になるだけでなく、処理速度が遅くなってしまうため、快適なディープラーニング環境を整えるうえでは冷却機能の重視も重要です。

サポートの有無

5つ目のポイントは、「サポートの有無」です。

GPUサーバーのサービスの中には、サーバーの組み立て方やディープラーニング用の環境構築をサポートしてくれるものもあります。また、チャットで24時間対応してくれるものもあれば、オンラインビデオ通話で画面を操作しながら説明してくれるものなど、対応方法もさまざまです。

サーバーの環境構築のノウハウがない場合には、サポートが充実しているサービスを選ぶことをおすすめします。

【ケース別】ディープラーニングにおすすめのサーバー

ディープラーニングの活用シーンによって、必要になるGPUサーバーのスペックは大きく異なります。ここでは、ディープラーニング時の利用ケース別におすすめしたいサーバーを解説します。特に初めてサーバーを選ぶ方は、参考にしてみてください。

個人利用向け

まずは、個人利用向けにおすすめのサーバーを紹介します。個人で利用するだけとはいえ、ディープラーニングを動かすためにはある程度高性能なサーバーが必要です。

DEEP-M059-117-NLXS

画像引用元:パソコン工房

そこで、おすすめなのがパソコン工房の「DEEP-M059-117-NLXS」です。

このサーバーでは、Intel製の高スペックなCPUの「Core i7-11700」と、Tensorコアが「104個」も搭載された「NVIDIA RTX A2000」が採用されています。また、SSDストレージを最大「2TB」まで拡張可能で、大量のデータを使う場合にも安心して利用できます。

価格も「29万円」から提供されており、スペックと価格のバランスが良く、個人利用に適したサーバーといえます。

企業で使うディープラーニング開発環境向け

次に、企業で使うディープラーニング開発環境向けのサーバーを紹介します。個人利用とは異なり、複数人で同時利用することが前提であるため、ハイスペックなGPUが複数搭載できるサーバーが適しています。

S-Supermicro 740GP-TNRT

画像引用元:GDEPソリューションズ

そこで、おすすめなのがGDEPソリューションズ社から提供される「GS-Supermicro 740GP-TNRT」です。

このサーバーでは、Intel製のワークステーション向けCPUの「Xeon」を最大2基搭載できるうえに、Tensorコアを搭載した「NVIDIA A100・NVIDIA A40・NVIDIA RTX A6000」の高性能GPUを最大4基まで搭載できます。また、メモリも「最大4TB」まで拡張可能で、画像認識等の大規模なディープラーニング開発にも問題なく対応できるでしょう。

このサーバーは、CPU・GPU・メモリの拡張性が非常に高く、企業のディープラーニング開発に適しているサーバーといえます。

ディープラーニングのサービス提供向け

最後に、ディープラーニングのサービス提供向けのサーバーを紹介します。サービスを提供するためには、GPUを大量に搭載できる高性能なサーバーが必要です。

Power Edge XE9680

画像引用元:デル・テクノロジーズ

そこで、おすすめなのがデル・テクノロジーズの「Power Edge XE9680」です。

このサーバーは、高性能なAI開発向けGPUである「NVIDIA HGX H100・NVIDIA HGX A100」を最大「8基」搭載することができます。また、デルの技術サポーターによるセキュリティ時や導入時のサポートも充実しているため、初めてサービスを手がける場合にも安心して利用できるでしょう。

このサーバーは、スペックはもちろんのこと、サポート面も充実しているためサービス提供におすすめといえます。

ディープラーニングにはクラウドGPUサーバーの「M:CPP」がおすすめ

さまざまなディープラーニング向けのサーバーが提供される中で、当社モルゲンロットのクラウドGPUサーバー「M:CPP」がもっともおすすめです。M:CPPでは、個人利用から企業向けに本格的な開発環境に対応したものまで、あらゆるケースを想定したサーバーを提供しています。

最後に、M:CPPの機能や特徴、ディープラーニングにおすすめである理由について詳しく解説していきます。

M:CPPの機能や特徴

M:CPPは、AMD製の「ハイエンドモデルGPU」を低コストで利用できるクラウドGPUサービスです。M:CPPの特徴は次のとおりです。

  • ローモデル・ミドルモデル・ハイエンドモデル・ウルトラパフォーマンスの4つのプラン
  • GPUの使用料金に加え、ストレージのディスク使用料やネットワーク利用料も含まれたわかりやすい価格体系
  • スペックの調整も可能なフリートライアル期間

上記のようにさまざまな特徴がある中で、幅広いニーズに対応できるプランが特徴的です。

また、M:CPPのGPUサーバーはいずれもAMD製であるため、「ROCm」と呼ばれるプラットフォーム上で動作します。そのため、TensorflowやPyTorch、CuPyなどのディープラーニング向けの機能も、難しい設定を行うことなく利用することができます。

なお、M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」がおすすめ!メリットと注意点』をチェックしてみてください。

M:CPPがディープラーニングにおすすめである理由

M:CPPがディープラーニングにおすすめである理由は、ディープラーニング環境用のサービスが充実しているからです。具体的には、次のようなサービスがM:CPPでは提供されています。

  • Vega 56・Radeon VIIといったハイスペックなGPUが搭載されたサーバー
  • AnacondaやDocker環境などディープラーニング環境の構築サポート

上記の環境構築サポートはプロのエンジニアに行ってもらえるため、ディープラーニング環境を構築するノウハウがない場合には特に、M:CPPを利用することをおすすめします。

まとめ

ディープラーニングの実行には大規模な処理が発生するため、「GPUサーバー」が必須です。近年、ディープラーニング事業のニーズ増加に伴い、従来のオンプレミス型に加え、レンタルやクラウド経由で利用できるGPUサーバーも増えてきています。

さまざまなディープラーニング向けのGPUサーバーが提供される中でもっともおすすめなのが、当社モルゲンロットが提供するクラウドGPUサーバー「M:CPP」です。

M:CPPでは、ディープラーニング用の実行環境やシステム環境を構築した状態で利用開始できるメリットがあります。また、個人利用向けに低コストのプランや企業向けにハイスペックなプランまで、幅広いニーズに対応したGPUが提供されています。

そのため、GPUサーバーの環境構築やコストがネックとなり、ディープラーニングを諦めていた企業の皆さまも、まずは当社のM:CPPを利用してみてはいかがでしょうか?

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