【2022】機械学習でクラウドサービスを利用するメリットとは?デメリットと共に解説

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機械学習クラウドサービスメリット

人工知能開発は、今や個人でも進められるほど身近な技術となりつつあります。手持ちのPCでもすぐにAIへ学習させることは可能ですが、優れたAIを開発したい場合、相応のスペックを持ったマシンや準備の整った環境が必要です。

これらを自前で整えるのには時間もコストもかかります。迅速に環境を整備し、それでいてコストパフォーマンスの高い方法として、クラウドサービスの活用が挙げられます。

今回は、クラウドサービスを使って機械学習を行うことに、どのようなメリットがあるのかについて解説します。

機械学習の仕組み

機械学習とは、AI開発においてAIが一定の判断力を獲得するためには不可欠の工程です。機械学習は主に、次の2つのステップを実行します。

  1. 学習処理
  2. 判定処理

学習処理のステップでは、あらかじめ用意した訓練データをもとに、タスクに応じたデータのインプットを行います。

学習処理の方法はさまざまで、最も一般的なのは「教師あり学習」と呼ばれる方法です。これは、学習データに対してあらかじめ正解と不正解のラベルを付与しておき、そのラベルをもとに効率的な学習を促す方法です。一般的に、訓練データが多ければ多いほどAIの精度は高くなり、安定感のあるパフォーマンスを実現します。

判定処理のステップは、学習済みのモデルを活用して未知のデータを読み込ませてみる工程です。既知の画像についての正誤判定が行えるのは当然であるため、AIとして機能するには未知のデータにも正確に把握できる必要があります。判定処理の結果によって、そのAIがどれくらいの精度を実現できているのか、どのような点に問題を抱えているのかを判断します。

クラウドサービスとは

近年、機械学習そのものよりも幅広い層に知られつつあるのが、クラウドサービスです。

クラウドサービスは、従来であれば自身のPCにインストールして使っていたアプリやOS、そして自前で設置していたサーバーなどのマシン本体を、オンライン経由で利用ができるようにするサービスです。インターネット経由でクラウド事業者からサービスを提供してもらい、オンライン上で機能を利用できるため、手元にマシンやソフトがなくともそれらと同様の働きを期待できます。

クラウドサービスの充実によって、気軽にさまざまなツールやマシンの拡充ができるようになっただけでなく、開発環境を整えるコストも安価になっています。人々のIT活用をより身近にしており、社会のハイテク化を後押ししています。

クラウドサービスの種類

クラウドサービスは、大きく分けて「SaaS」「PaaS」「IaaS」いう3つのサービスに分類されます。それぞれの詳細について確認しておきましょう。

SaaS

SaaSはSoftware as a Services」の略称で、従来単体で販売されていたソフトやアプリを、オンラインから利用ができるサービスを指します。

利用に当たってはライセンス形式で活用でき、一つひとつを購入する必要がありません。世間一般で最も普及しているのがSaaSに分類されるクラウドサービスであるため、イメージのしやすい製品といえます。

PaaS

PaaSは「Platform as a Services」の略称で、その名のとおりプラットフォームを丸ごとオンラインで利用できるサービスです。

アプリ開発などを手掛けるエンジニア職の人にとっては非常に便利なサービスでしょう。企業はもちろん、個人でも気軽に開発環境を整備できる点はPaaSならではの強みです。

IaaS

IaaSは「Infrastructure as a Services」の略称で、コンピュータ利用に伴うインフラをすべて仮想化するためのサービスです。PaaSやSaaSよりも根本的なレベルでクラウド環境を構築できるため、自社の業務に特化した開発環境を整えたい場合には活躍する製品です。

機械学習をクラウドサービスで実施するメリット

クラウドサービスを使った機械学習を実施することで、自身ですべての環境を整えるよりも多くのメリットを期待できます。ここでは、クラウドサービスを利用して機械学習を実施するメリットについて解説しましょう。

コストパフォーマンスに優れる

1つ目のメリットは、コストパフォーマンスです。

クラウドサービスは、月額や年額のライセンス料金、あるいは従量課金で各種機能を利用できるため、初期費用を大きく抑えられます。

機械学習のためにはハイスペックマシンを用意する必要もありますが、クラウドであれば大きな負担を背負うことなくスペックを満たせます。そのため、事業者はもちろん、個人での機械学習にも最適です。

中長期的な開発が必要な機械学習において、クラウドサービスのコストパフォーマンスの高さは無視できないポイントです。

マシンスペックに依存せず機械学習が行える

クラウドサービスの場合、必要に応じてリソースの不足や機能の不足を、すぐに補うことができることもポイントです。契約プランを変更するなどして、スペックの拡充も簡単に行えることが一般的だからです。

一般的な家庭用PCだと、本格的な機械学習を行うには相応のアップグレードが必要になります。一方で、クラウドサービスは、実際に動作するマシン本体はクラウドサービス提供事業者のサーバーです。そのため、大きな負荷が手元のPCにかかることはありません。マシンスペックに自身のない方でも、容易に機械学習へ取り組めるのです。

すぐに開発環境を整えられる

機械学習向けの開発環境を自前で整備する場合、金銭的なコストもそうですが、時間的な負担も発生します。

クラウドサービスは、そんなセットアップの負担も解消できるようサービスが提供されているため、ライセンス契約後すぐに開発へ着手できます。機械学習に必要なデータセットなどを提供してくれるクラウドサービスも増えており、ますますAI開発を加速できるでしょう。

保守管理の負担がない

相応のマシンスペックを有することができても、サーバーなどは定期的なメンテナンスが必要になり、ソフトのアップデートや互換性チェックも必要です。

クラウドサービスを利用することで、これらの保守管理業務のほとんどはクラウドサービス事業者が担ってくれるため、その負担を心配する必要はありません。必要最低限の開発者さえいれば、安定してAI開発を進められます。

クラウドサービスを利用する際のデメリット

クラウドサービスの活用には多くのメリットが期待できますが、一方で注意しておくべきデメリットもあります。ここでは、クラウドサービスを利用して機械学習を実施するデメリットについて解説します。

オンライン環境でなければ利用に制限がある

クラウドサービスは、インターネット上で各種機能を利用できることを実現するものです。逆に、インターネットに接続されていないと、基本的な機能でさえ利用が制限されてしまう可能性もあるため、運用環境やサービスには注意が必要です。

オンライン環境で利用制限があるサービスとしては、たとえばクラウドストレージが挙げられます。クラウドストレージは、メールなどを使わなくとも、データの共有や保存を一箇所のサービスで完結できる便利なサービスです。

しかし、オフライン環境ではこの機能は使えません。そのため、クラウドサービスを利用する場所においては、ある程度安定したインターネット環境が整備されていることが大切です。

とはいえ、ライセンス管理のみクラウド経由で行い、基本的な機能はインストールして利用するというツールも少なくありません。特に、開発ツールなどは、オンラインにつながなければ何もできないというわけでもなく、情報共有や一部機能に制限があるだけで済むケースもあります。オンライン環境が安定しないからといって、過剰にそのことを心配する必要もないでしょう。

ライセンス料金が継続的に発生する

従来のソフトウェアなどは、基本的に買い切りでのサービス提供が一般的でした。しかし、クラウドサービスを利用する場合、その多くは継続的に料金が発生する仕組みとなっています。そのため、初期費用はかからなくとも、半永久的にコストがかかってしまう問題は注意しておきましょう。

ただ、クラウドサービスの料金制度は、利用の必要がなくなったときにいつでもサービスを停止できるので、無駄な負担が発生することはないというメリットもあります。また、保守管理などのサービス周辺で発生する業務を代行してくれる手間賃も含まれているため、その点を考えるとコストパフォーマンスに優れているといえます。

買い切り型とクラウド型を選べる場合には、上記の点を踏まえた上で、自社に合った製品を選ぶことをおすすめします。

セキュリティ対策を新たに検討する必要がある

クラウドサービスは、サービスそのものの管理はサービス提供者に任されています。自分でサービスの保守管理を担うことはできません。そのため、サービス事業者のセキュリティ対策が甘いものであった場合、何らかのサイバー攻撃の糸口となってしまう可能性があります。

クラウドサービス事業者は、そのことを踏まえて強固なセキュリティ対策を施していることが一般的です。とはいえ、その対策がどれくらい強固であるかは事業者によって異なる上、必ずしも自社より優れているセキュリティであるとは限りません。

近年では、クラウドサービス利用者を対象としたサイバー攻撃も増えており、ユーザーIDやパスワードを狙うことで、強固なセキュリティを破るケースも懸念されます。クラウド利用に当たっては、自社のセキュリティ対策を見直す必要があります。

機械学習に活躍する主なクラウドサービス

機械学習に活躍するクラウドサービスは、すでに多くの会社から登場しています。最後に、ワンストップでサービスが利用できる、主なプラットフォームを紹介しましょう。

GCP

GCP(Google Cloud Platform)は、Googleが提供するクラウドサービスです。統合されたAIプラットフォームであるVertex AIを活用し、ユーザーニーズに合わせたAI構築をこのサービス一つで完結できます。

会話型AIの開発はもちろん、Natural Language AI やVision AI といった高度なAIサービスを活用し、非構造化テキストの読み込みや分析、画像分析のような高度なAI活用にも応用がききます。Googleが提供するその他のクラウドサービスとも互換性があり、すでにこれらを使っている人には便利なサービスです。

公式サイト

AWS

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドプラットフォームです。機械学習に必要な環境をワンパッケージで提供するだけでなく、機械学習のスキルがなくとも簡単に運用ができるユーザビリティも備えています。

画像や動画の分析や、製品モニタリングによる欠陥の発見や検証、テキスト情報の取得など、ビジネス用途でのAI開発をサポートしてくれるフレームワークがすべて整っています。これまでAIについて触れてきたことはないが、実用的なAI開発を行なってみたいというユーザーにとって、非常に魅力的なサービスです。

公式サイト

Microsoft Azure

Microsoft Azureは、開発者やデータサイエンティスト向けに設計されたAIプラットフォームです。Microsoftが蓄積してきたAI研究のノウハウやデータベースを有効活用できるサービスです。

ユーザーはTensorFlow、PyTorchなどのオープンソースフレームワークを使い独自のAI開発を行えます。業界別のユースケースも非常に豊富で、ビジネス向けのAI開発における実績が豊かなサービスとなっています。

公式サイト

まとめ

クラウドサービスを機械学習に活用することで、どのようなメリットがあるのか解説しました。

満足のいく機械学習を実施するためには、相応のマシンスペックを整えることが求められるものの、初期投資負担がネックになります。そこでクラウドサービスを利用することにより、環境構築の負担を大きく軽減し、円滑な機械学習の実現をサポートできます。

ただ、クラウドサービスの利用は必ずしもメリットばかりではなく、場合によってはコストが大きくなることや、新しいセキュリティ対策を施す必要があるなど、検討の余地は残されています。あらかじめ正しいコスト計算とサイバー攻撃への対策を検討した上で、利用を進めましょう。

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