【2023】機械学習用のクラウドサービスとは?種類とおすすめクラウドサービス

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機械学習のクラウド

一昔前までは、専用のサーバーを準備しなければできなかった「機械学習」ですが、今では「クラウドサービス」を利用することでスマホからでも気軽にできるようになりました。画像認識や言語処理に特化したものや、AI技術全般に対応しているものなど、さまざまなサービスが提供されています。

今回は、機械学習対応のクラウドサービスの種類やサービスの比較ポイント、おすすめのクラウドGPUを解説していきます。

そもそもクラウドサービスとは

まずは、「クラウドサービス」について簡単に理解しましょう。

クラウドサービスとは、ベンダーが提供する「GPUサーバーやストレージ」などのサービスを、ネット経由で利用するサービスのことです。私たちに身近な「GmailやTwitter、Zoom」などのサービスも、実はクラウドサービスです。

また、近年ではAIの一般化が進み、「AI環境用のクラウドサービス」も増えてきています。これから、機械学習向けのクラウドサービスについて詳しく解説していきます。

機械学習対応のクラウドサービスの主な種類

そもそも、機械学習に対応しているクラウドサービスには、どのようなものがあるのでしょうか?ここでは、機械学習対応のクラウドサービスの主な種類を紹介します。

画像認識特化型クラウドサービス

機械学習対応のクラウドサービスの1つ目は、「画像認識特化型」です。

画像認識特化型のクラウドサービスでは、画像認識がスムーズにできるように、「大容量のストレージや画像のラベル付け機能、高性能なGPUサーバー」を利用できます。

また、画像認識精度を高めるのに欠かせない「転移学習」を利用できるサービスが多くあります。転移学習をするためには、複雑な機械学習モデルをプログラミングする必要がありますが、クラウドサービスでは実装済みモデルをクリックするだけで実行可能です。

転移学習にあるように、画像認識には大規模なモデル作成が必要であるため、クラウドサービスを利用すれば、効率良く画像認識技術を試せる良さがあります。

自然言語特化型クラウドサービス

機械学習対応のクラウドサービスの2つ目は、「自然言語特化型」です。

自然言語特化型のクラウドサービスでは、SNSや大量の文書を用意するだけで、「感情分析や要約文作成、コンテンツ分類」などの機械学習の自然言語処理を実行可能です。

また、自然言語特化型のクラウドサービスの中には、「LINE WORKS」や「Microsoft Teams」などのコミュニケーションツールと連携し、自然言語処理の内容を社内外の問い合わせ対応に活かせる機能もあります。

このように、クラウドサービスは単なる実験サービスとしての利用だけでなく、AI技術をサービス化するうえでも役立てることができます。

AIプラットフォーム

機械学習対応のクラウドサービスの3つ目は、「AIプラットフォーム」です。

AIプラットフォームは、利用できる分野が限定されておらず、画像認識や言語処理、リアルタイム動画解析など、幅広い機械学習を試すことができます。

また、AIプラットフォームでは、機械学習モデルの実行だけでなく、データの加工やモデルパラメータの調整、モデルの評価など、機械学習の一連の流れを体験可能です。

機械学習に「クラウドサービス」がおすすめである理由

機械学習をするなら、置き型のGPUサーバー等のオンプレミス型サービスをイメージされる方も多いでしょう。では、なぜ機械学習をするのにクラウドサービスがおすすめといえるのでしょうか?ここでは、その理由を3つ解説していきます。

必要なシステムを準備する手間がなくなる

一般的に機械学習向けクラウドサービスでは、データを保管するための「ストレージ」や、プログラミングをする「開発用エディタ」、GPUサーバーをマルウェアから守る「セキュリティシステム」など、機械学習に必要なシステムやプログラミング環境がひと通り含まれています。

そのため、クラウドサービスを利用すれば、システム環境を整える手間がなくなるため、スムーズに機械学習を始めるうえでおすすめといえます。

なお、機械学習に必要な環境システムは、『機械学習のための環境構築方法は?必要な準備と手順』を参考にしてみてください。

サーバーの知識がなくても導入しやすい

機械学習向けクラウドサービスでは、「GPUサーバー」も利用可能です。

クラウドGPUでは、ベンダーが提供するGPUサーバーをネットを介して使えるため、サーバーの構築方法や運用・管理方法がなくても、機械学習用に最適化されたGPUをすぐに使うことができます。

そのため、クラウドサービスはサーバーの知見がなくても導入しやすいため、サーバーに関する知識はないが機械学習を始めたい方におすすめといえます。

なお、機械学習とGPUの関係性は、『機械学習でなぜGPUは重要性なのか?クラウドGPUを活用するメリット』を参考にしてみてください。

月額定額制で気軽に始められる

クラウドサービスを利用しない場合には、パソコンやグラフィックボード、SSDなど、物理的な環境を整えるための初期費用を100万円以上用意してからでないと始めることができません。

一方で、機械学習向けのクラウドサービスの中には、「月額定額制」のものもあるため、ネット環境さえあれば、10万円程度で気軽に始められます。

クラウドサービスを利用すれば、少しの費用負担ですぐに試せるためおすすめといえます。

なお、これまで解説してきたように、機械学習にクラウドサービスがおすすめできるのは間違いありませんが、もちろん利用するうえでデメリットもあります。機械学習にクラウドサービスを利用するデメリットについては、『機械学習でクラウドサービスを利用するメリットとは?デメリットと共に解説』を参考にしてみてください。

機械学習向けクラウドサービスの比較ポイント

さまざまな機械学習向けクラウドサービスが提供されているため、自社に合うものをしっかり検討しなければ、運用に失敗してしまうケースもあります。ここでは、機械学習向けクラウドサービスの比較ポイントについて、特に重要な次の4点を紹介します。

 

  • 機械学習の分野
  • GPU利用の難易度
  • 費用
  • モデルのカスタマイズ性

機械学習の分野

機械学習の分野は非常に幅広いため、クラウドサービスでは基本的に一部の分野にしか対応していません。そのため、導入を検討しているサービスで試してみたい機械学習分野が利用できるかどうか、必ずチェックするようにしましょう。

契約してから、開発予定の分野に対応していないサービスで、結局自分で実装しなければならないという状況になってしまっては、もったいない話です。

GPU利用の難易度

機械学習の「ディープラーニング」では、CPUでは処理しきれない大規模なモデルを実装する必要があるため、GPUが欠かせません。そのため、ディープラーニングを試してみたいのであれば、GPUの利用の難易度も確認しておくと良いでしょう。

GPUを利用するためだけに、プログラミングを10行以上記述しなければならない難易度の高いものや、クリックだけで使用できる簡単なものなど、さまざまなGPUサービスがあります。

なお、GPUについて詳しく知りたい方は、『機械学習でのGPUの使い方は?活用方法と必要な環境』をチェックしてみてください。

費用

クラウドサービスは基本的に「従量課金制」を採用しており、使用した分や時間に応じて支払う金額が決まります。そのため、「どのようなことをすると費用がかかるのか」「どこまでが無料の範囲か」など、クラウドサービスでかかる費用を比較することも重要です。

費用を比較する際には、単純に価格で比較するのではなく、利用できる機械学習モデルの種類やGPUサービスなど、サービス内容を踏まえて比べると良いでしょう。

モデルのカスタマイズ性

機械学習のクラウドサービスは、「自動でモデルの実装・学習・予測・評価ができるタイプ」と、プロ向けに「自分で実装したモデルを使って機械学習をするタイプ」の2つに大きく分けられます。

ただ機械学習を試すだけであれば、カスタマイズ性は不要です。一方で、運用目的の場合には、モデルを変更できるカスタマイズ性があるサービスの方が適しています。自社の目的に合わせて、モデルのカスタマイズ性を検討・比較すると良いでしょう。

機械学習向けクラウドサービス比較

それでは、先述した比較ポイントを踏まえて、次の表にて機械学習向けクラウドサービスを比較してみましょう。

クラウドサービス名 機械学習の分野 対応フレームワーク モデルのカスタマイズ性 使用可能なGPUサーバー
Vertex AI ・回帰・分類

・画像認識

・動画分析

・自然言語処理

・Python

・Tensorflow

・PyTorch

自作したモデルで機械学習可能 ・NVIDIA TESLA A100

・NVIDIA TESLA K80 など

Azure Machine Learning ・回帰・分類

・音声・顔認識

・異常検知

・自然言語処理

・Python

・Tensorflow

・PyTorch

自作したモデルで機械学習可能 ・NVIDIA Triton Inference Server
SageMaker ・回帰・分類

・画像認識

・動画分析

・自然言語処理

・Python

・R

・Tensorflow

・PyTorch

・mxnet

・Hugging Face

自作したモデルで機械学習可能 NVIDIA Triton Inference Server
IBM Cloud ・回帰・分類

・画像認識

・音声分析

・自然言語処理

・Python

・Tensorflow

・PyTorch

自作したモデルで機械学習可能 NVIDIA TESLA K80

これから、それぞれのサービス内容やできること、メリットについて解説していきます。

Vertex AI|Google

「Vertex AI」は、Google社のクラウドサービスの一つで、画像・テキスト・自然言語など、多種多様なデータに対応した機械学習モデルを実行できます。

また、Vertex AIでは、人手による「ラベル付けサービス」や「モデルパラメータの調整」、「TensorBoardによるモデルの可視化機能」など、さまざまな機能を利用することも可能です。

Azure Machine Learning|Microsoft

「Azure Machine Learning」は、Microsoft社の機械学習用クラウドサービスで、基本的にクリック操作のみで機械学習ができます。

また、Azure Machine Learningは、ほかのAzureサービスとの連携が可能で、データの保存や可視化も同じクラウドサービス内で一貫して行えるメリットがあります。

SageMaker|Amazon

「SageMaker」は、Amazonのクラウドサービス「AWS」の1つで、データの準備から機械学習モデルの学習・調整・評価まで、機械学習における一連の流れを自動化できるサービスです。

また、SageMakerには、学習データやパラメータ設定、学習勾配などを監視し、ログとして残す機能があるため、自作したモデルやデータにエラーがあってもすぐに解決することができます。

IBM Cloud|IBM

「IBM Cloud」は、IBM社のクラウドサービスの総称で、「IBM Watson」により機械学習を試すことができます。

IBM Watsonには、機械学習用に加工していないデータから自動的にデータの処理を行い、モデルの選択からパラメータの最適化、モデルのテストまで、ワンクリックで機械学習の全体フローを処理する機能があります。

機械学習向けクラウドGPUは「M:CPP」がおすすめ

さまざまな機械学習向けのクラウドサービスがあることをお伝えしましたが、もっともおすすめのクラウドサービスは、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」です。M:CPPには、機械学習に必要なシステムや機能が過不足なく搭載されています。

最後に、M:CPPのサービス概要やおすすめである理由について解説していきます。

M:CPPとは

M:CPPは、大手半導体メーカーのAMD社の「ハイエンドモデルGPU」を利用できるクラウドGPUサービスです。機械学習用のGPU・CPU環境構築やフレームワーク追加、HDDの増設など、企業・個人のニーズに合わせて柔軟なカスタマイズが可能です。

M:CPPについてさらに詳しく知りたい方は、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』をチェックしてみてください。

おすすめな理由

数多くあるクラウドサービスの中で、なぜM:CPPがおすすめといえるのでしょうか?M:CPPがおすすめである理由は、次のとおりです。

・大手クラウドサービスと比較して「2分の1以下」の費用で導入でき、コストパフォーマンスに優れる

・機械学習用のフレームワークを入れずに、OSがクリーンインストールされただけの状態(ベアメタル)を選択できる

・各々の利用目的に合わせたプランをプロのエンジニアから提案してもらえる

・フリートライアル期間でプラン内容をお試しできる

特に、M:CPPを導入するうえで、自社の既存システム環境や人材に合わせた最適な契約プランをプロの視点で提案してもらえる良さがあります。また、契約後すぐに費用がかかるのではなく、「フリートライアル期間」にてパフォーマンスや操作性を確かめてから、本格運用できるのも大きなメリットです。

なお、M:CPPのコスパの良さが気になる方は、『AWSとM:CPPのコストパフォーマンスを比較する』を参考にしてみてください。

まとめ

ひと昔前までは、オンプレミス型サービスが主流であった機械学習周りの環境も、近年では「クラウドサービス」の利用が増えてきています。機械学習向けのクラウドサービスは、GoogleやAmazon、Microsoftなど、世界的に有名なIT企業から提供されています。

多種多様なクラウドサービスがある中で、もっともおすすめなのがクラウドGPUサービスの「M:CPP」です。M:CPPは、AMDのGPUサーバーを費用相場の半分以下の金額で利用することができます。そのため、今までは費用負担が問題で機械学習事業を先延ばしにしていた企業の皆さまも、まずは当社のM:CPPを利用し、機械学習を試してみてはいかがでしょうか?

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