【2022】ディープラーニングに活躍するクラウドサービスは?主なサービスと活用のポイント

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ディープラーニングのクラウドサービス

ディープラーニングはここ10年ほどで一気に社会へ浸透し、今ではさまざまなプロダクト開発に適用されることとなりました。ディープラーニングの運用そのもののハードルが低くなったことが普及の背景にありますが、近年はクラウドサービスを使って開発を効率化しているケースも増えてきています。

今回は、どのようなクラウドサービスを使ってディープラーニング開発を促進しているのかについて、その活用のポイントを紹介します。

ディープラーニングの仕組み

ディープラーニングの仕組み

ディープラーニングは、日本だと「深層学習」という呼び方でも知られていますが、端的にいえば複数の層を用いて一つのデータを何度も入力することで、独自にデータの特徴を把握できる仕組みを備えていることが特徴です。

ディープラーニングを支えているのが「ニューラルネットワーク」と呼ばれる構造です。人間の神経細胞から着想を得たネットワーク機構を備えているニューラルネットワークは、「入力層」「隠れ層」「出力層」の3つの層から形成されており、近年はその内の隠れ層を多層化したモデルが採用されています。

近年は高度なAIが次々とサービスとして登場していますが、これらはいずれもディープラーニングを応用して開発されたものです。検索エンジンのアルゴリズムや音声認識システム、画像識別や生成、自然言語翻訳システムなど多様なソフト開発に採用されています。

ディープラーニングの運用要件

ディープラーニングの運用要件

このような高度なサービス開発を進める上で、ディープラーニングは不可欠な技術となっています。ディープラーニングを運用する上では、次の要件について押さえておく必要があります。

データ量

まずディープラーニングを運用する際に用意すべきデータの量ですが、通常の機械学習よりも多くのデータが求められます。

ディープラーニングよりも難易度が低く、ポピュラーな手法とされる「教師あり学習」は、教師データと呼ばれる学習用に加工されたデータを用いるのが特徴です。これは、あらかじめデータの特徴をメタデータによって定義づけておくことで、AIの理解を効率良く促す効果があります。

一方のディープラーニングは、教師データを用意する必要がありませんが、十分にAIの精度を高めるため大量の学習データを用意しなければなりません。AI開発はデータ収集がその労力の大半を占めると言われていますが、ディープラーニング運用を進める場合にはその比率がさらに大きくなると考えておきましょう。

データ加工の必要性

学習データを加工する必要性は、ディープラーニングの場合は小さいことが強みです。ある程度タスクに則ったデータ学習を進められるよう、事前の取捨選択は必要ですが、教師あり学習のような加工プロセスを踏む必要はありません。

ディープラーニングのメリットとして、データを教師データへと加工する「アノテーション」と呼ばれる作業が発生しない点が挙げられます。アノテーションは、ある程度AIに知見のある人物が担当しなければうまく実行できないだけでなく、一つひとつ手作業で行うため、膨大な時間が発生します。

しかし、ディープラーニングであればこの必要がないため、データ加工の大幅なコスト削減を実現可能です。また、データの特徴を自らAIが特定してくれるので、人間が定義づけられないような違いも見分け、人知を越える能力を身につけることもできます。

ハードウェアの性能

ディープラーニングは「ニューラルネットワーク」という高度な演算処理を実行するため、マシンスペックにも相応のものが求められます。教師あり学習の場合は多くを求められるわけではありませんが、ディープラーニングは従来の手法よりも多くのリソースが必要となるため、ハードの性能に限界があった以前では負荷が大きすぎるために採用されてきませんでした。

近年、GPUを演算に採用する方法が普及したことや、GPUの性能そのものが急激な進化を遂げていることもあり、ディープラーニングは格段に運用ハードルが下がっています。しかし、それでも家庭用のGPU搭載PCでは運用に限界があり、本格的なAI開発には業務用のスペックが求められます。

実行にかかる時間

ディープラーニングは、学習そのものにもある程度の時間を必要とします。もちろん、処理速度はマシンスペックにも大きく依存しますが、教師あり学習よりもはるかに多くのデータを扱うため、必然的に開発時間は伸びてしまいやすいことが特徴です。

短期間で成果を挙げることが難しいため、長期的に向き合う必要があります。

得られるアウトプットの形式

成果を得るのに時間がかかるぶん、ディープラーニングは教師あり学習よりもはるかに豊かなアウトプットを得られます。教師あり学習から得られる結果は極めてシンプルで、数値情報や分類結果を得るに留まるケースが一般的です。

一方のディープラーニングは、数値情報はもちろん、テキストや画像、映像、音声など、豊富なメディア形態で目的に合わせた結果を得られます。このような汎用性の高さも、ディープラーニングに人気が集まる理由の一つです。

ディープラーニングに活躍するクラウドサービスとは

ディープラーニングに活躍するクラウドサービスとは

ディープラーニングの運用環境を自社だけで揃えるには大きな負担がかかります。そこで、多くの企業が採用しているのがクラウドサービスです。

オンライン経由で必要な環境やリソースを獲得し、ディープラーニングの開発を進めています。具体的にどんなサービスを利用しているのか、ポピュラーなサービスを2つ紹介しましょう。

AI開発向けの仮想環境

クラウドで利用できる仮想環境は、ソフトウェアの開発に必要な環境をオンラインですべて利用ができるものです。セットアップの負担がなく、リモート環境でも利用ができるということから、今日では多くのエンジニアに選ばれている環境です。

AI開発が盛んになってきたことから、AI向けに提供されているものや、ディープラーニングに特化しているサービスも増えつつあります。開発者向け統合開発環境やディープラーニング用フレームワークと、自ら設定しなくとも導入してすぐに利用できるのがポイントです。

クラウドGPU

GPUはディープラーニングに欠かせないユニットですが、問題はその導入コストです。GPUリソースを手早くコストを抑えて確保したいという方に人気なのが「クラウドGPU」で、従量課金でリソースを好きなだけ利用できることが強みです。

自社でGPUを購入する必要がないので初期費用を抑えられるだけでなく、常に最新のハイエンドGPUを利用できるので、維持管理コストや買い替えの負担も発生しません。タスクに応じてスケーラブルに利用できるため、組織の規模を問わず採用されているクラウドサービスです。

ディープラーニング向けの主なクラウドサービス

ディープラーニング向けの主なクラウドサービス

ディープラーニング向けに提供されているクラウドサービスの種類は豊富になってきており、大手クラウドサービスの内容は非常に充実しています。どのような機能が利用できるのか、主なクラウドサービスを参考にしながら確認していきましょう。

Azure Machine Learning

Microsoftが提供するAzure Machine Learningは、ディープラーニングを含む機械学習開発の効率化および高速化を目的としたクラウドサービスです。

学習モデルを作成することはもちろん、PytorchやTensorFlowといったオープンソースで開発されたモデルの運用にも使えるため、既存環境からの移行を検討している、あるいは他社とのコラボレーションが必要な場合にも活躍するサービスです。

AWS

Amazonが提供するAmazon Web Services(AWS)は、ディープラーニングに特化したパッケージの提供も行っているクラウドサービスです。規模に合わせて機械学習を素早く簡単に構築し、トレーニングの実践、およびデプロイまで到達できるオールインワンプラットフォームとなっており、大手企業の導入実績も豊富です。

クラウド経由の分散ネットワークを活用したディープラーニングにより、効率的で短期間での開発が可能な体制を整えられます。

Google Cloud

Google公式のクラウドプラットフォームであるGoogle Cloudは、ディープラーニングプロジェクトを短時間で構築可能なサービス「Deep Learning VM Image」を提供しています。

ソフトウェアの互換性を気にすることなく、人気のある AI フレームワークをクラウド上で利用できるため、目的に合わせた柔軟なディープラーニング開発を進められることが強みです。

ディープラーニング向けクラウドサービス選びのポイント

ディープラーニング向けクラウドサービス選びのポイント

ディープラーニング開発をクラウドで実施する場合、自社のニーズに合わせたクラウドサービスを選定する必要があります。選び方のポイントとしては、次の2点が重要です。

現状のマシン環境を見直す

まず、現状のマシン環境にどのような課題を抱えているのかを見直しておきましょう。ディープラーニングはGPUこそ高度なスペックが要求されますが、OSやCPUについてはこれといった要件はないため、家庭用PCでも問題なく実行が可能です。

また、すでにディープラーニング用のフレームワークやエディタのインストールが終わり、実行環境の整備が進んでいる場合は、仮想環境を丸ごと契約する必要もないので、クラウドGPUの運用だけでも問題ありません。

コストパフォーマンスを計算する

2つ目に、どれくらいのコストが発生するかを見積もってみることです。クラウドサービスは確かに便利で初期費用もかからないソリューションですが、仮想環境を丸ごと導入し長期的に運用する場合、その負担は大きくなる可能性もあります。

必要のない機能や、あれば良い程度のツールのためにプラットフォームを丸ごと導入するのは負担が大きくなる原因になるため、回避するのがおすすめです。

クラウドGPUを提供するM:CPPの強み

MCPP

当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」は、クラウドサービスを使ったディープラーニング開発を検討している方に向けて、最適なプランの提供に努めています。クラウドGPUにも多様なサービスがありますが、どのような点で強みを発揮しているかについて紹介します。

大手クラウドサービスよりもコストパフォーマンスに優れる

まず、M:CPPではクラウドGPUのコストパフォーマンスを最大限発揮するため、大手クラウドGPUよりも低い価格で同クオリティのGPUの提供に努めています。最大で半分程度のコストにまで抑えられるプランの提供が可能であるため、既存のクラウドGPUに今ひとつコスト面での恩恵が得られていないという方におすすめです。

ハイエンドGPUを専有サーバーで提供している

M:CPPは、ハイエンドなAMD製のGPUを採用しているだけでなく、ユーザーごとに占有サーバーを提供している点も強みです。どれだけ強力なGPUサーバーであっても、複数のユーザーが共有する形でGPUを利用すると、お互いに干渉が発生してしまうノイジーネイバーの問題が懸念されます。

M:CPPではこの問題を回避するべく、専有サーバーの提供によって、常にハイパフォーマンスを発揮できるよう努めています。

エンジニアがクライアント特化の運用プランを提供できる

また、クラウドGPUを利用の際にはGPU運用のプロであるエンジニアがクライアントごとに最適なプランを提案するため、より効率的な運用が可能です。導入前の選定作業の負担も軽減できるため、クライアントファーストで利便性の高いサービスを受けられます。

まとめ

クラウドサービスが充実したことで、ディープラーニングのような高度な技術開発であっても、オンラインで実践できるような時代になりつつあります。中でも、クラウドGPUは高い利便性とコストパフォーマンスを誇るため、積極的に活用機会を増やしていきたいサービスです。クラウドGPUの導入を検討の際には、お気軽にM:CPPへご相談ください。

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