【2023】機械学習の精度が上がらない理由は?向上させる方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
機械学習の精度

機械学習で、精度が思うように出なくて悩んでいる方も多いのではないでしょうか?少し工夫するだけで、大幅に改善できるケースがあります。

今回は、機械学習の精度が下がる原因と上げるコツを初心者向けにわかりやすく解説します。また、精度向上に欠かせないGPUの選び方も紹介します。

この記事を読むと、機械学習の精度エラーを根本的に解決する方法を理解できます。AI関連の知識を得たい方は、ぜひ最後までご覧ください。

機械学習の精度エラーとは?

機械学習の精度エラーは、「オーバーフィッティング」と「アンダーフィッティング」の2つに大きく分けられます。ここでは、それぞれのエラー内容を解説します。

オーバーフィッティング

オーバーフィッティングとは、機械学習モデルが学習データに対して過剰に最適化してしまい、評価データを使う場合の精度が低い状態のことです。オーバーフィッティングは、学習データと評価データの分布が異なる場合や、予測対象が複雑なモデルの場合によく発生します。

機械学習では、未知の評価データに対する予測精度を評価する必要があります。そのため、学習データのみに過剰適合している場合には、汎用性を持てるように改善しなければなりません。

アンダーフィッティング

アンダーフィッティングとは、学習データ・評価データの両方で機械学習モデルの予測精度が悪い状態のことです。

アンダーフィッティングは、機械学習モデルに対してデータが合っていない場合によく発生する現象です。データの分布を調べたり、可視化したりと、データの見直しから行う必要があります。

機械学習の精度が下がってしまう原因

機械学習では、さまざまな原因で精度が思うように上がらないことも珍しくありません。ここでは、機械学習の精度が下がってしまう原因を5つ解説します。機械学習の精度低下で悩みを抱えている方は、一つずつチェックしてみてください。

学習データの選択ミス

1つ目の原因は「学習データの選択ミス」です。

機械学習はデータの種類や分布によって、学習の精度が変わります。たとえば、猫を予測したいのに犬の画像のみを学習データとして与えていては、いくら高性能な機械学習モデルでも正しく学習できません。

また、回帰モデルに対して分類モデル用に加工したデータを与える場合など、各機械学習モデルに合わせた学習・正解データでないケースでも、学習が上手く進まないため注意しましょう。

プログラミングミス

2つ目の原因は「プログラミングミス」です。自分自身のプログラミングミスにより、機械学習の精度が下がってしまうケースもあります。

特に、数式に基づいて自分で一から機械学習のアルゴリズムを記述する場合には注意が必要です。たとえば、クラスの引数がいつの間にか上書きされていたり、数式通りにプログラミングできていなかったりと、慣れないうちはプログラミングミスが多々発生します。

思ったように機械学習の精度が出ない場合や結果が不自然な場合には、1行ずつデバックしながら細かくプログラム内容を確かめるようにしましょう。

ハイパーパラメータの調整ミス

3つ目の原因は「ハイパーパラメータの調整ミス」です。

機械学習モデルでは、モデルの学習率・学習データのサイズ・学習ノード数など、さまざまなハイパーパラメータを調整する必要があります。たとえば、学習率は0.01単位での微調整が必要になるケースもあり、複数のハイパーパラメータを最適化することは簡単ではありません。

ハイパーパラメータを調整する際は、見せかけの最適解である「局所解」に陥ることもあり、機械学習本来のパワーを出すことができずに、精度が低くなってしまうことも少なくありません。

CPU・GPUのスペック不足

4つ目の原因は「CPU・GPUのスペック不足」です。実は、機械学習のモデルやデータ要素だけではなく、マシン側のスペック不足も機械学習の精度低下を引き起こすケースがあります。

たとえば機械学習のうち、ディープラーニングのような大規模なモデルの場合には、CPUや低性能なGPUでは処理ができず、モデルやデータサイズを小さくする必要があります。

また、機械学習モデルの中には、「NVIDIA TITAN Vで実行済み」といったように、GPUの種類が指定されているケースもあります。

そのため、実行する機械学習モデルに対して、CPU・GPUのスペックが十分でない場合や最低実行条件を満たせない場合は、機械学習の性能を下げる必要があり、精度が低くなってしまうため注意しましょう。

機械学習の精度を上げるためのコツ

それでは、原因を踏まえて機械学習の精度を上げるためのコツを4つ解説します。どのようなケースで有効なコツかを紹介するので、それぞれ参考にしてください。

学習データの水増し

画像データを用いて機械学習をする場合には、学習データが足りず精度が下がる場合があります。そのため、画像データを左右反転させたり、ノイズをかけた画像を追加したりと、既存の画像データよりも水増しさせることで、精度を向上させるとよいでしょう。

機械学習モデルのエラーもなく、ハイパーパラメータの調整もある程度完了している場合には、データを増やしてみると学習精度が上がることがあります。

フレームワークを使わない

機械学習用のフレームワークは、パラメータやデータを与えるだけで、簡単に学習ができるため非常に便利ですが、その一方でカスタマイズ性が低くなってしまいます。特殊なデータや条件の場合では、最適化アルゴリズムやモデルの中身を柔軟に変更できないため、精度が今一つ上がらないケースもあります。

そのため、機械学習用のフレームワークを使っていて精度不足に悩んでいる場合には、フレームワークを使わずに自分で実装することも一つの手です。オリジナルモデルの場合には、微調整ができる部分が増えるため、精度が下がる原因を取り除けるでしょう。

転移学習をする

転移学習とは、高性能な学習済みのディープラーニングモデルを小規模なモデルへの「データ作成機」として利用する技術のことです。転移学習を行うと、高度なディープラーニングにより特徴が抽出されたデータを使って学習するため、データをそのまま使う場合よりも高い精度が期待できます。

そのため、ニューラルネットワークやサポートベクターマシンなど、比較的小さな機械学習モデルを使う場合には、転移学習により性能を補強するとよいでしょう。

高性能なGPUを使う

機械学習の精度を最大限に上げるには、高性能なGPUを使うことが最も重要なポイントです。GPUのメモリ上で処理できるモデルしか実行できないため、いくら優れた機械学習モデルでも、低性能なGPUでは本来のパワーを発揮することができません。

そのため、機械学習を行う前には、必ず機械学習・AI向けのハイスペックGPUを用意しましょう。

機械学習の精度向上に重要なGPUの選び方

ここでは、機械学習の精度向上に重要なGPUの選び方を解説します。機械学習では、高性能なGPUが必要になります。精度低下の原因をなくすためにも、チェックしておきましょう。

メーカーのシリーズ

機械学習向けのGPUを初めて選ぶ方は、メーカーのシリーズに注目することをおすすめします。主要GPUメーカーのNVIDIAとAMDでは、AI・機械学習用のシリーズを提供しています。

具体的には、NVIDIA製では「RTX Aシリーズ」で、AMD製では「Instinct MI シリーズ」が機械学習用のシリーズです。

各メーカーでは、ゲーミングPC向けなどさまざまな用途向けにシリーズが提供されています。AI向け以外のシリーズでは、機械学習の精度が出ないケースもあるため、間違えないように注意してください。

コア

機械学習用のGPUを選ぶ際には、GPUメモリの「コア」にも注目しましょう。注目すべきポイントは、コア数とコアの種類です。

具体的には、メインメモリのコアが3,000個以上、そしてTensorコアが100個以上搭載されているGPUを選べば、幅広いモデルに対応することができます。

なお、機械学習の中でもディープラーニングの場合には、特に高性能なGPUが必要になります。詳しいスペックは『機械学習・ディープラーニングにおすすめのGPUは?GPUの選び方のポイントと注意点』で解説しているので、参考にしてください。

メモリ容量

機械学習で使うGPUでは、メモリ容量にも注意して選びましょう。GPUのメモリ容量が小さい場合、処理できるデータ量が限られてしまい精度低下につながるからです。

そのため、機械学習を行う際には、「8GB以上」のメモリを搭載した容量が大きいGPUを選ぶとよいでしょう。なお、GPUメモリの重要性については、『GPUメモリ(VRAM)とは?不足を解消する方法と選び方』で詳しく解説しています。

予算

機械学習用のGPUは高性能なタイプが必要であるため、マシン単体を購入する場合でも100万円以上のコストがかかるケースもあります。そのため、予算に限りがある場合には、低コストで購入できる「AMD製」のGPUを検討するとよいでしょう。

また、オンプレミス型ではなくクラウド型のGPUを利用すれば、トータルコストを抑えられるためおすすめです。

機械学習にクラウドGPUがおすすめである理由

さまざまなGPUサービスが提供される中で、機械学習には「クラウドGPU」が最もおすすめです。ここでは、オンプレミス型のGPUサービスと比較しながら、クラウドGPUがおすすめである理由を解説します。

最新のGPUを好きなタイミングで使えるから

オンプレミス型では、コスト面から最新のGPUを用意し続けることは難しいでしょう。

一方で、クラウドGPUでは、直近5年以内に販売された最新のGPUを好きなタイミングで使えるメリットがあります。クラウド型では常に最新で最高レベルのGPUを利用できるため、古いGPUによるスペック不足に悩む心配がありません。

クラウドGPUでは、機械学習の高度化に合わせて最新のGPUを使い続けられるためおすすめといえます。

初期導入のコストを抑えられるから

オンプレミス型で機械学習用のハイスペックGPUを導入する場合、初期導入費用だけでも300〜500万円程度かかるケースもあります。

一方で、クラウドGPUの中には、初期費用なしで利用料として10万円程度の負担で使えるタイプや、利用時間分しかかからないタイプもあります。

クラウドGPUではGPUの初期導入にかかるコストを大幅に抑えることができ、気軽に導入できるためおすすめです。

高性能なクラウドGPUなら「M:CPP」がおすすめ

MCPP

機械学習向けのクラウドGPUサービスは多数ありますが、当社モルゲンロットが提供する「M:CPP」がおすすめです。機械学習向けのGPUを格安で利用できるからです。

ここでは、M:CPPのサービス概要や機械学習におすすめである理由を解説します。

M:CPPのサービス概要

M:CPPは、大手半導体メーカーのAMD社のハイスペックGPUを提供しているクラウドGPUサービスです。M:CPPのサービス概要は次のとおりです。

  • ローモデル・ミドルモデル・ハイエンドモデル・ウルトラパフォーマンスの4つのプランが提供されている
  • 初期システム環境を「ベアメタル」と「プリインストール」のどちらも選べる
  • 専有サーバーとして利用できる
  • GPUの使用料金に加え、ストレージのディスク使用料やネットワーク利用料も含まれたわかりやすい価格体系

M:CPPでは、ベアメタルGPUを専有サーバーとして使えるため、オンプレミス型と同様に潤沢なGPUリソースを利用できるメリットがあります。

M:CPPについては、『GPUクラウドサービスなら「M:CPP」!概要とおすすめの理由』で詳しく解説しています。

M:CPPが機械学習におすすめである理由

M:CPPが機械学習におすすめである理由は次のとおりです。

  • TensorflowやPytorchなどの機械学習用のライブラリやフレームワークに対応しており、導入の手間が省ける
  • AnacondaやDocker環境など機械学習用の実行環境の構築をプロのエンジニアからサポートしてもらえて初めてでも安心
  • 機械学習用のGPU・CPU環境構築やフレームワーク追加、HDDの増設など、柔軟にカスタマイズできる
  • 大手クラウドサービスと比較して「2分の1以下」の費用で導入でき、コストパフォーマンスに優れる

M:CPPを利用すると機械学習に必要なシステムや機能を自社のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできるため、長期的に利用し続けることができるでしょう。なお、M:CPPのコスパの良さが気になる方は、『AWSとM:CPPのコストパフォーマンスを比較する』を参考にしてみてください。

まとめ

機械学習の精度低下は、GPUのスペック不足でも起こり得ます。低性能なGPUの場合には、メモリ上で大量のデータを処理できないため、機械学習モデルのサイズを小さくしたり、バッチデータ数を少なくしたりと、性能を下げる必要があるからです。

そのため、どのような機械学習モデルでも最大限の性能を引き出すためには、高性能なGPUが必要です。

多種多様な高性能GPUサービスが提供される中で、もっともおすすめなのがクラウドGPUサービスの「M:CPP」です。M:CPPでは、AMDのハイスペックGPUを費用相場の半分以下の金額で利用できます。

機械学習の精度低下問題を回避するためにも、当社のM:CPPを利用してみてはいかがでしょうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加